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2023.2.21

刷り方だけでこんなに違う⁈~シルクスクリーン印刷 黒Tシャツに白インク~

シルクスクリーンプリント 黒Tシャツ 濃色生地 白インク 発色
黒Tシャツに白インクで印刷 刷り方比較

シルクスクリーン印刷で必ずやりたい黒Tシャツに白インクでのプリント。そして必ず納得いかない仕上がりに…というのはみなさんきっと、経験したことありますよね。
シルクスクリーンでは、とくに水性インクで黒Tシャツにこってりキレイに発色させるということがなかなか難しいとされているんです。
業務用の油性インクでパキッと発色させる!ということも勿論可能ですが、家で油性インクを使いたくない…、お手入れやお掃除に使う溶剤の臭いが苦手…、扱いが難しい…、など、少々とっつきにくかったりしますよね。
でも黒Tシャツに綺麗に印刷してみたい!という方に、今回は刷り方だけで綺麗にこってり発色させる方法をご紹介いたします。

おすすめのスクリーンは「80」メッシュ!

Tシャツくん ミドルスクリーン 80メッシュ

Tシャツくん標準スクリーンは120メッシュですが、濃色生地にこってりインクを乗せたい!という場合は少し目の粗い80メッシュを使うことをおすすめします!なぜなら…メッシュ(網戸)の目が粗いとその分たくさんインクが落ちるから。さらに目の粗い60メッシュもありますが、シルクスクリーンにまだ慣れていないという方はまず80メッシュから始めてみましょう!線の多いデザインなどの場合は標準の120メッシュでも大丈夫です◎

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樹脂、業務用、ウレタン…スキージはどれを使うのが良い?

シルクスクリーンはインクやメッシュ選びはもちろん、スキージ選びも重要!
Tシャツくんシリーズ、3種類のスキージと特徴をご紹介します。

①樹脂スキージ(Tシャツくん付属品)

Tシャツくん スキージ11.5cm

樹脂のスキージはTシャツくん本体にも付属しているスキージです。(本体には23cmのスキージが付属しています)

推奨   :淡色生地や薄手の生地
メリット :安価、誰でも扱いやすい
デメリット:力の入れ具合で曲がりムラができる、角が鋭利でスクリーンが傷む場合アリ

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②業務用スキージ

Tシャツくん 業務用スキージ14cm

業務用スキージは木の持ち手が付いた樹脂製のスキージです。

推奨   :濃色生地、多枚数印刷
メリット :力を入れやすく均一に刷れる、角が丸いためスクリーンを傷つけにくい
デメリット:標準の樹脂スキージより少し高価

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③ウレタンスキージ

Tシャツくん ウレタンスキージ11.5cm

ウレタンスキージは木の持ち手が付いたウレタン製のスキージです。(硬度70)

推奨   :厚手の帆布生地、プラスチック、木、紙など
メリット :ウレタン製でしなりがあり、力を一定に保ちやすく均一に刷れる
デメリット:扱いに慣れが必要

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おすすめのインクは「シルクスクリーンインク リッチ」の「しろ」

Tシャツくん シルクスクリーンインク リッチ 「しろ」

今回使うインクは
「Tシャツくんシルクスクリーンインク リッチ」の「しろ」
リッチシリーズは以前の水性一般・パステル・蛍光・金銀インクと同じインクですよ。

また、白以外にも濃色生地への印刷は「きん」「ぎん」もおすすめ。
下地が透けることなく綺麗にプリントできますよ◎

金銀インクの実験結果はこちらをご覧ください。
シルクスクリーン印刷 ラメインクのインパクトを楽しもう!-金・銀・カラー
https://www.hando-horizon.com/archives/5217

実際に黒いTシャツに白インクで実験!

今回は以下の条件でそれぞれ刷り方を変えて実験してみました。

・黒の綿100%Tシャツにプリント
・初心者でも使いやすい①樹脂スキージを使用
・スクリーンは80メッシュ

①一度刷り

黒Tシャツに白インク 一度刷り

いつも通り、スキージの角度は65度くらいでささっと一刷り。
ふむふむ…まあこんなものか?という感じですね。

②二度刷り

黒Tシャツに白インク 二度刷り

一度刷りと同じ力加減でさっと一刷り。その後版を上げずにそのままもう一刷り。
一度刷りよりはムラもなく発色もよくなりました!

③二度刷り(中間乾燥アリ)

黒Tシャツに白インク 二度刷り(中間乾燥アリ)

おおお~!これは優勝候補が出てきてしまいました。
②の二度刷りとは異なり、これは一度刷った後に版を上げてドライヤーなどで乾燥させ、版を下ろしてもう一度刷るという方法です。
必ず同じ位置にプリントしなければならないので、印刷機をお持ちの方におすすめしたい刷り方になります。(乾燥の際にパネルやTシャツは動かさないようにしましょう!)

④かぶせ刷り

黒Tシャツに白インク かぶせ刷り

かぶせ刷りとは、一度優しくなでるようにインクをスキージで表面に伸ばし、その後インクを下に落とすようなイメージで刷ることを言います。
一度刷りよりはムラもなく、二度刷りと同じような発色になりました。

⑤スキージ立て気味、強めに刷る!

黒Tシャツに白インク スキージ立て気味、強めに刷る!

通常の一度刷りよりもスキージを立て気味に(垂直より少し傾けるくらい)、ゴリゴリっと力を入れて刷ってみました。この方法は通常のシルクスクリーン印刷でおすすめしている刷り方なのですが、なんと濃色生地には合わないことが分かりました…インクを搔き取ってしまう感じになり、薄付きに。

⑥スキージねかせ気味、優しく刷る!

黒Tシャツに白インク スキージねかせ気味、優しく刷る!

今度は通常よりもスキージを寝かせて、優しく刷ってみました。
すると…なんどかなり良い感じに!③二度刷り(中間乾燥アリ)に負けずとも劣らない発色になりました!
通常スキージをねかせて刷ることはあまり推奨していないのですが(どんどんインクが上に逃げて最後にかすれてしまう)濃色生地へのプリントには面で刷るようなスキージングが良いのかもしれません。

黒Tシャツに白インク、おすすめは…?

黒Tシャツに白インク 比較 おすすめ

今回の優勝は③二度刷り(中間乾燥アリ)となりました!
やっぱりこうして見てみると圧倒的によく発色していますね。というのも、この方法はTシャツプリントの業者さんなども取り入れている方法なんです。印刷機など、印刷位置がずれないような機械を持っているという方はこの方法が一番おすすめです!

印刷機にはまだ手が出せない、自宅で簡単にできる方法が良い!という方はぜひ②二度刷り⑥スキージねかせ気味、優しく刷る!を組み合わせてみてください。この方法なら初心者の方でも簡単にこってり濃くインクを発色させることができますよ◎

<今回の実験に使ったもの>

Tシャツくんミドル
ミドルフレーム
ミドルスクリーン(80メッシュ)
シルクスクリーンインク リッチ「しろ」
Tシャツくんスキージ
ワイド印刷機

まとめ

今回は刷り方だけでどこまで発色に差が出るか、を実験してみましたがいかがでしたでしょうか。
インク選びだけではなく、メッシュ選び、スキージ選び、そしてそれらツールの使い方次第で仕上がりは180度変わってきます!みなさんもぜひ、試してみてくださいね。