シルクスクリーン スキージのおすすめは?種類と特徴を徹底解説!
シルクスクリーンをはじめる上で必須の道具、スキージ。
いろいろと種類がありますが、印刷する素材の厚みや硬さ、色、デザインの線の太さなど、最適なスキージ選びはケースバイケースです。
「どれを選べばいいのやら‥」とお困りの方のために、HANDoで扱っているスキージを徹底解説していきます!
1.HANDoで扱うスキージは3種類!
1‐1.それぞれの特徴と取扱いサイズ
HANDoで取り扱うスキージは以下の3種類です。
・標準スキージ
・業務用スキージ
・ウレタンスキージ
種類別に、その特徴や素材・デザインとの相性を比較してみます!

この通りそれぞれに得意・不得意な印刷があるため、印刷したい素材やデザインに合わせてスキージを選ぶことをおすすめします。
スキージのサイズ展開は、種類によってラインナップが異なります。
ご使用のフレームや、印刷するデザインの幅に合ったスキージサイズをお選びください!

それでは、各種スキージについてさらに詳しくご紹介していきます。
1‐2.標準スキージ


プラスチック素材で、低価格で購入できるのが魅力のスキージです!
・Tシャツくん ミドル本体には23cm
・ジュニア本体には14cm
・ワイド印刷機には23cmの標準スキージ
が付属されています。(ワイド製版機には付属されていません)
軽くて薄いので、お子様の手にもフィットし初心者でも扱いやすく、エントリーモデルとしてぴったり。
淡色のTシャツや薄手の綿素材でしたら問題なく印刷できます。
HANDoにお越しいただくお客さまの中には、「刷ってる感触が手に伝わるから力加減がしやすくて好き!」と言う方もいらっしゃいますよ!
ただし!デメリットが3つ。
・ 結構角がシャープなので扱い方によっては、この角でスクリーンを傷つけてしまう可能性があります。

・ 持ち手が薄いので、たくさん刷っていると手が疲れてきます。(疲れは失敗のもと!)
・ 力が一定に保ちづらいので、デザイン面が大きかったり、硬くて厚い素材や濃色素材(黒、赤など)に刷るには心許ないです。また、色ムラも出やすいです。
【 結論 】
・誰もが扱いやすいエントリーモデルとして最適◎淡色生地や薄手の生地であれば十分きれいに刷れる。
・ただし、手が疲れやすい。デザインや素材によっては、力が一定に保てずムラがでやすいかも?
1‐3.業務用スキージ


持ち手が木製でしっかりとグリップできるので、標準スキージよりも断然力を入れやすいかと思います。
手にかかる負担も軽いのでたくさん刷っても疲れづらいのも魅力。

スクリーンを傷つけにくい
スクリーンにあたるブレードと呼ばれる部分の素材は標準スキージと同じプラスチックですが、角は丸みを帯びていてスクリーンを傷付けにくいので、何枚も繰り返し刷る方には安心です。
力を入れやすいので黒Tシャツなどの濃色生地も、綺麗に刷ることができますよ。
ただし、こちらもやはり苦手なものがあります。
・ 金属やプラスチックのような硬い素材とは相性があまり良くありません。刷れなくはないですが、硬い素材同士がツルっと滑りやすく、失敗の原因となります。
・ 濃色素材もいけますが、ベタ面の大きいデザインは色ムラが発生しやすいです。
【 結論 】
・たくさん刷っても疲れにくく力もかけやすいから、黒Tシャツにも綺麗に刷れる。
・ベタ面の大きいデザインや、硬い素材、厚い素材はコツが必要。
1‐4.ウレタンスキージ


こちらはブレード部分がウレタンゴムでできているスキージ。
ウレタンゴムは耐摩耗性に優れているので、一つ持っていると末長く使えます。
ゴムに弾力性がありとてもパワーがあるスキージで、樹脂スキージと刷り心地が大きく違います。
ゴム先端のエッジ部で「インクを掻き取る」ようなスキージのため、鮮明に印刷しやすく、細かい文字の印刷にはもってこいです!
ただし、樹脂製のスキージに比べて力加減が難しく、3種類の中では一番取り扱いにコツが必要です!
ゴムを反らせすぎたり角度を倒しすぎると、過剰にインクが押し出されてデザインが潰れたり線が太くなることも。
また、濃色素材への印刷は発色が薄くなることがあります。
発色については刷り方やスキージを倒す角度などさまざまな理由があるので一概には言えませんが、「ウレタンスキージはインクを掻き取る」とイメージをしていただければ思います。

業務用スキージのほうがくっきりと発色しました!
▶スキージの角度による印刷の違いについてはこちらの記事で解説しているので合わせてチェックしてみてくださいね!
【 結論 】
・パワーがあり、インクを掻き取るので、細かい文字もシャープに印刷できます。
・濃色素材へのプリントは薄くなりがち。
・力加減が難しく、取り扱いにコツが必要。上級者向け
1‐5.〈補足〉ウレタンスキージの硬度・厚みについて
ウレタンスキージは、ゴムの〈硬度〉〈厚み〉によっても特徴が異なります。
なお、HANDoで取り扱っているものは厚さ9mm、硬度70°です。
硬度は80°、70°、65°といったように、度数で表されます。
度数が高いほど、ゴムが反りにくくインクを掻き取る力が強いため、細かい文字などを鮮明に印刷できます。ただしその分、印刷が薄くなることがあるので、特に濃色素材への印刷は注意が必要です。
一方度数が低いものは、ゴムが反りやすく、インクがたっぷりと塗布されます。
そのため、硬い素材やインクを吸い込みづらい素材(帆布生地、木材など)にしっかり印刷したいときに向いています。
ただし、ゴムが反ることで下向きの力がはたらき、過剰にインクが押し出され、にじみやダブりの原因となります。

厚さについては、薄いほどゴムが反りやすくなるので、6mmは9mmと比べてインクの塗布量が多くなります。
HANDoで取り扱っている厚さ9mm、硬度70°のウレタンスキージはちょうど中間といったところで、オールマイティーにご使用頂けます。
2.きれいな仕上がりには〈刷り方〉も大切!
きれいに印刷には、最適なスキージ選びだけでなく、刷り方も非常に重要なポイントです。
白Tシャツや薄手の素材は比較的どなたでもコツをつかみやすいと思いますが、特に黒Tシャツへの印刷など難易度の高い印刷になってくると、刷り方でも仕上がりに大きな違いがあります。
▶刷り方の詳しい解説については、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください!
3.まとめ
シルクスクリーン印刷をうまく仕上げるカギとも言えるスキージ選び、意外と奥が深い道具ですよね。
HANDo WEBshopでは樹脂製のスキージ・ウレタンスキージの3種を取り扱っており、サイズ展開も豊富です。印刷したいデザインや素材に合わせてスキージを使い分けて、シルクスクリーン印刷を楽しみましょう!
また、東京吉祥寺にあるシルクスクリーン工房「HANDo KICHIJOJI」では、すべてのスキージをお試しいただけます。購入の前に一度刷り比べてみたい!刷りたい素材に合ったスキージを直接相談したい!というご要望があれば、お気軽にご来店くださいね。
※シルクスクリーン体験には事前予約が必要です。
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シルクスクリーン「ソフト×クリア」であそぶ!写真の網点加工製版も。
写真原稿の網点加工 ソフト×クリアインクであそぶ 2022年9月に新発売となったTシャツくんシルクスクリーンインクの「ソフト」と「クリアインク」。 やわらかな仕上がりで、なんだか目詰まりしにくいらしいけど実際どうなの?今までのインクと何が違うの?という方のために今回は実験をしてみました! シルクスクリーンインク「ソフト」って? Tシャツくん シルクスクリーンインク「ソフト」 シルクスクリーンインク「ソフト」は、生地の質感を損なわず柔らかな仕上がりでプリントできるインク。 いわゆる「染み込み系」と呼ばれるインクなので、元からこんな色の生地でしたよ~というように、インクが乗っている感じがしないインクです! そのため、手ぬぐいやタオルなど肌に触れるものや、ベビー服にもかなりおすすめ◎ また、紙に刷ってもサラサラとしているので、重ねるとインク部分がべたつきがちな本の中身などにも使えちゃいます。 そして最大の特徴は「透ける」こと! 「ソフト」に「クリアインク」を混ぜてプリント 通常インクの上にインクを乗せると(例:赤の上に青を刷る、など)後から刷ったインクの色で下の色が隠れてしまいますが、ソフトの場合は下の色が透けるんです! そのまま使用しても下の色は透けて見えますが、ここに「クリアインク」を混ぜるとさらに透明感マシマシ。 まるで水彩絵の具のようにプリントすることができます。 ・シルクスクリーンインク「ソフト」を見てみる ・「クリアインク」を見てみる 青空の写真を刷ってみる 使用する原稿は青空の写真 今回の実験ではその特徴を生かすために青空の写真を使います。 とはいえこのままでは製版できないので、これをグレースケールに変換! 青空の写真をグレースケールに変換 Tシャツくんで製版する場合はここで網点加工をしなければなりませんが、今回は製版サービスを利用するのでこのままでOK! 規定サイズに収めたらこのまま入稿します。 ※「高解像度版 シルクスクリーン製版サービス」はリニューアルに伴い販売終了となりました。 >>後継品はこちら Tシャツくんでは「原稿は真っ黒に!」「とにかく黒くして!」とうるさいくらいに徹底していますが、製版サービスでは機械が製版をしてくれるので、グレー部分は自動的に網点加工が施されるので便利♪ (網点の線数や角度など細かなこだわりがある方はご自身で網点加工をしてからご入稿されることをおすすめします◎) ・「製版サービス」についての詳細はこちら 実際にプリントしてみよう! ①「ソフト」のあおで刷ってみる Tシャツくんシルクスクリーンインク「ソフト」の「あお」でプリント まずは「ソフト」のあおでプリント。 空にしてはちょっと色が濃いですが、網点表現も綺麗にできています。 小さな雲まできっちり製版できていますね! ②「ソフト」のあおに「クリアインク」を混ぜる Tシャツくんシルクスクリーンインク「ソフト」の「あお」に「クリアインク」を混ぜる お次はクリアインクを混ぜてプリントしてみました。 「ソフトあお」が4、「クリアインク」が6の割合で混色しています。 どうでしょう?なかなか良い感じの青空になってきたのでは? ③「ソフト」のあおに「クリアインク」を混ぜる(薄め) Tシャツくんシルクスクリーンインク「ソフト」の「あお」に「クリアインク」を混ぜる さらにクリアインクを足してみたバージョンがこちら。 2:8でクリアインクがかなり多めです! 水彩画のようでもあるし、本物の写真のよう。これくらいの色合いが個人的には好みです。 ④ソフトのあか、きいろに「クリアインク」を混ぜる Tシャツくんシルクスクリーンインク「ソフト」の「あか」「きいろ」に「クリアインク」を混ぜる 今度はあかときいろとクリアを混ぜてみました。 あえて大雑把にぐるぐる混ぜ、最後にちょこっときいろを足して一刷りすれば、なんだかそれっぽい感じの夕焼けに。 ⑤「プレーン」の「おれんじ」で刷ってみる Tシャツくんシルクスクリーンインク「プレーン」の「おれんじ」でプリント でもそれって網点加工されてるからでしょ?どんなインクでもそんな感じになるでしょ?という方にはこちら。 Tシャツくんインクのスタンダードタイプ「プレーン」でプリントすると、空といえば空ですが、かなり濃くはっきりと印刷されました。 水彩っぽさや透明感はほとんどなくなってしまいました。。 ⑥「リッチ」の「あお」で刷ってみる Tシャツくんシルクスクリーンインク「リッチ」の「あお」でプリント 最後は濃色生地用インク「リッチ」でもプリントしてみました。 青空、強い。 まとめ ・「ソフト」×「クリアインク」は透明感を出せる 水彩画のような透明感を出したい、写真の色味やニュアンスを残した感じでプリントしたい、という場合は「ソフト」と「クリアインク」を使ってみるのがおすすめ。 色を薄めたいときに「白」を混ぜると色そのものが変わってしまいますが、透明な「クリアインク」なら濃度のみを落とすことができるので、まさに水彩絵の具のように使うことができますよ。 ・シルクスクリーンインク「ソフト」の詳細はこちら ・「クリアインク」の詳細はこちら ・写真の製版なら「製版サービス」がGood Tシャツくんでも網点加工の原稿を製版することができますが、やはり手でブラッシングをして、という製版になるとあまりに細かい絵柄は難しいもの。 そんなときは「製版サービス」を使ってみるのがおすすめです! 網点加工が難しくてできない、という方もフリーソフトなどで写真をグレーに変換すればOK。 製版サイズに設定したパワポなどに貼り付けてPDFで保存すれば誰でも簡単に入稿できちゃいます◎ ・製版サービスの詳細はこちら いつもとはちょっと違うシルクスクリーン、ぜひ楽しんでみてくださいね。
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