シルクスクリーン 「浮き」は重要!版離れとは?浮かせ方は?
“浮き”とは、印刷したい素材と版の隙間(3mm程度)のこと。
シルクスクリーンにおいて、“浮き”はきれいなプリントには欠かせないポイントです!
印刷用語では「クリアランス」と呼ぶことも。今回は、“浮き”の重要性を解説していきます。
◎目次
“浮き”はなぜ必要?
版離れが悪いとどうなる?
浮かせすぎるのもダメ。3mm程度がベスト!
浮きのつくり方
・基本的な浮きのつくり方
・フレームよりも小さいものに刷るとき
・フレームの一部が素材から外れるとき
まとめ
“浮き”はなぜ必要?
“浮き”があることにより、スキージが通過した後に版が印刷素材から離れ(これを「版離れ」と言います)
その反発力でインクを均一に引き上げることにより、美しい印刷面になります。
下の図のように、スキージを押し当てている部分だけが素材に触れている、という状態がベストです。

版離れが悪いとどうなる?
「版離れが悪い」というのは、スキージ通過後に版のメッシュが印刷素材に長く張り付いてしまうこと。

版離れが悪いと、版を持ち上げる際にインクも一緒に剥がしてしまったり、
ズレてダブりや滲みが発生したり、インクが張り付いて印刷物の表面が毛羽立ってしまったり
目づまりしたり…etc
さまざまな不具合の原因となります。

素材が張り付いてしまいました

浮かせすぎるのもダメ。3mm程度がベスト。
冒頭で、浮きは3mmとお伝えしました。この距離間もとても大事なポイントです。
浮かせれば浮かせるほどいい、というわけではありません。
浮かすぎると反発力が強まり、インクを持ち上げる速度が速くなることで「欠け」の原因になります。
また逆に、必要以上にインクが落ち均一な印刷面にならない可能性があります。
たかが3mm、されど3mm!

インクが必要以上に落ちたことで、細かい線や文字は潰れています。ロゴマークの下も欠けてしまいました。
“浮き”のつくり方
それでは、浮きの作り方を見ていきましょう!
基本の作り方から応用編、印刷素材ごとのケースもご紹介していきます。
・基本的な“浮き”のつくり方
① まずは浮き具合をチェック!印刷素材の上にフレームを置いて、確認しましょう。
② 浮きが足りなければ、フレームの下に厚みのあるものを挟んでフレームの高さを調整
※ フレームの四隅か、3か所持ち上げると安定しやすいですよ。
※ 挟むものは厚紙やカードなどなんでもOK。
③ 3mmの隙間ができ、フレームに傾きがなく、フラットに保たれていれば完成!


また、たくさん印刷する場合はフレーム裏か作業台に貼り付けて固定してしまうのも手!

・フレームよりも小さいものに刷るとき
小さい素材に刷る場合など、フレームの全体が素材に乗らないことがあると思います。
このときも考え方は同じです。フレーム下に厚みのあるものを挟んで適度に浮かせましょう。
例)ミニポーチ、小さめサコッシュ、カード、はがき、など
中敷きをセットして凹凸を解消したポーチ。
フレームの四隅に厚紙を挟んで、印刷面から3mm浮くように高さを出しました。


おまけの応用編です。箱に刷るときのシチュエーション。

手元にあったコルク素材だけでは足りなかったので、さらに厚紙も追加でして高さを調整。
たくさん重ねると不安定になりやすいので、テープで固定するのもいいと思います◎


こんな感じで、手元にある道具を使って臨機応変にセッティングしてみてくださいね!
・フレームの一部が素材から外れるとき
印刷したい位置によっては、フレームの一部だけが印刷素材から外れることがあるかと思います。
例)トートバッグの隅、Tシャツの袖、など
素材に乗っている部分、外れた部分、それぞれにちょうどいい高さをつける必要があります。
例えば下の画像のように、トートバッグの右下あたりに印刷したい場合。
素材に乗っている部分には厚紙4枚、素材から外れた部分には10枚セットしました!


素材の厚みによって必要な高さも異なるので、適宜アレンジしてみてくださいね。
そしてフレームはなるべく平らな状態になるように気を付けましょう!
まとめ
いかがでしたか?
印刷したいものや位置によって、様々なケースがあるかと思います。 浮きの原理を理解しているだけでいろいろと工夫することができるので、快適にシルクスクリーンを楽しめるはずですよ!
HANDoでは、シルクスクリーンを通してものつくりやみなさまの新しい一歩のサポートをしています。
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