シルクスクリーンで「木材」へのプリントに適したインクは?
今回は、お問い合わせの多い「木材」へのプリント実験レポートをお届けします!
木材へのプリントに適したインクはどれか、
①表面加工が施された木材
②加工無しの木材
の2パターンで検証しました。
ちなみにシルクスクリーンのインクには「水性」と「油性」があります。
HANDoでは水性インク7種類、油性インク3種類をラインナップしています。
インクの詳細はこちらの記事でご紹介していますのでぜひチェックしてみてくださいね。
それでは実験レポート、いってみましょう!
目次
・〈実験1〉木材に刷る!
・〈実験2〉表面加工された木材に刷る!
・今回使用したインクと、インク周辺商品
・まとめ
・〈実験1〉木材に刷る!


百円ショップで購入したこちらの板材にプリントしてみます。
表面は何も塗装されておらず、少しザラつきのある手触り。
うまくプリントできるのでしょうか…!
◆使用インク:プレーンインク「くろ」vs油性インク「くろ」
◆使用スクリーン:120メッシュ
◆検証:印刷翌日の耐久チェック(①引っ掻きテスト②水濡れ&擦りテスト)
今回の木材はミドルサイズのフレームよりも小さく不安定だったので、しっかりと手で押さえて刷りました。

刷りあがり直後~乾燥
刷りあがりはこのようになりました!


・プレーンインク:
すぐに木材に染みこみ、10分程度で触っても指に付かないくらいに乾きました。
仕上げはドライヤーで乾燥をします。
・油性インク:
刷った直後からかなりツヤのある仕上がりに。すぐには乾かないので、触ったら指にインクが付着してしまいそう。
油性インクの仕上げは、ドライヤー乾燥では硬化しないため、24時間自然乾燥をさせます。
印刷翌日の耐久テスト
そして、翌日の状態がこちら。


・プレーンインク:
木に馴染んでマットな風合いで、サラッとした触り心地です。
・油性インク:
翌日もツヤツヤとした光沢が残り、触り心地はニス塗装が施されたような、ツルっとした表面。
それでは、ドキドキしながらコインを使って引っ掻いてみます!!
女性スタッフが強めの力で10往復ほど、引っ掻きました。


いずれも多少色が薄くなりましたが、インクが剥げたというより木材の表面自体が削れて、インクごともっていかれたような感じです。インク自体はいずれもしっかり定着している印象。
さらに、水に濡らして擦ってみるとどうでしょうか?


水に濡らした時点ではいずれも全く変化はありませんでした。
しかし、スポンジで擦るとプレーンの方が微かに薄くなりました。
ただ、引っ掻きテストと同様に、木材の表面自体がカスレてインクがもっていかれたような感じになりました。
木材プリントまとめ
・プレーンインク、油性インク、いずれも定着は◎
・耐久性は大きな差はないが、木材の表面自体が剥げやすく、インクも一緒に剥げてしまう。
・耐水性はいずれのインクもある程度見込めるが、擦るとプレーンの方がやや薄くなるかも?
・インクによって仕上がりの風合いが異なる!プレーンインクはマットに、油性インク光沢のある仕上がりに。
〈実験2〉表面加工された木材に刷る!


続いて、ラッカー塗装が施されている木材にプリントします。
※ラッカー塗装とは耐水性や表面の傷を防ぐ効果のある仕上げ塗装の方法です。
今回の実験ではこちらのまな板を使ってみました。表面はトゲもなく滑らかな触り心地です。
◆使用インク:
プレーンインク「くろ」
リッチインク「くろ」
油性インク「くろ」
撥水インク「くろ」
◆使用スクリーン:120メッシュ
◆検証:印刷翌日の耐久テスト(①引っ掻きテスト②水濡れ&擦りテスト)
刷りあがり直後~乾燥
刷った直後の状態がこちら。




・プレーンインク:
部分的にインクを弾くような刷り上がりになりました。
特に線のデザイン部分(赤の点線)の弾きが目立ってしまう結果に。
・リッチ・油性・撥水インク:
かなり綺麗にインクが乗りました。
触らないように気を付けて、このまま乾燥させます。
プレーン、リッチ、撥水インクはドライヤー乾燥、油性インクは自然乾燥で翌日のテストに挑みます!
〈補足〉
ラッカー加工は表面がツルツルとしていて、スキージが滑りやすいため、印刷の際は滑らないようにしっかり押さえる、丁寧に刷る、など注意が必要そうです。
最初に実験したプレーンインクは刷りはじめの部分がずれてしまいました…!
印刷翌日の耐久テスト
まずは10円玉で引っ掻きテスト。
10往復程、女性スタッフが強めの力加減で引っ掻き、結果はこのようになりました。




・プレーンインク:
しつこく強く擦ると明らかに色が薄くなりました。ただ、思いのほか剝がれにくい!
・油性インク:
なんということでしょう。コインで削ると、2往復目くらいからすぐ剥がれてしまいました。
昨日の時点では油性がよさそう!と思っていたのに…。
・リッチインク:
こちらもしつこく擦ると、インクが剥がれてきました。
・撥水インク:
強く擦ってもまったく変化なし!いい感じです。
続いて耐水チェックです。
水に濡らしてから、波線を中心に食器洗い用のスポンジで10往復ほど擦ってみました。
水で濡らした時点ではいずれも変化は無かったのですが、スポンジで擦ると以下の通り差がありました。




・プレーンインク:
インクが溶けてきて、全体的に薄くなりました。細い波線の部分はさらに擦ると消えてしまうかも。
・リッチインク:
プレーンよりは薄くならないものの、やはりこちらもくり返し擦るともっと薄くなりそう。
・油性インク:しつこく擦るとインクが剥がれて、エッジがボロボロになってきました。
・撥水インク:
まったく変化なし!撥水強いです!!
表面加工木材プリントまとめ
・そもそもプリント時に滑る。プリントのズレに注意。
・プリント自体はいずれのインクも可能〇。ただしプレーンインクは少しインクを弾く。
・耐久性、耐水性ともに、撥水インクがベスト!
今回使用したインクとインク周辺商品
それぞれの商品の使用上の注意や使い方については、リンク先の商品ページをご覧ください。
・プレーンインク くろ
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・リッチインク くろ
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・油性インク くろ
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・撥水インク くろ
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・撥水インク 硬化剤
⇒ 撥水インクを使用の際は、必ずこちらの硬化剤をインク量の1%を混ぜて使用します。
硬化剤を入れないとインクが固まらないのでご注意!
⇒ 硬化剤を入れたインクは5時間ほどで使えなくなってしまうので必要な分を別容器に取り分けて使ってくださいね。
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・Tシャツくん ふきとり&うすめ液
⇒ 油性インクが付着したスキージやヘラの掃除に使用。油性インクご使用の際はセットでの購入を推奨しています!
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まとめ
塗装されていない木材であれば、水性のプレーンインクでもしっかり定着することがわかりました◎
ラッカー塗装が施された木材に関しては、撥水インクでのプリントなら耐久性も問題なさそうです!
その他のインクも、耐久性・耐水性は劣りますがプリント自体は可能という結果でした。
用途やご使用する環境に応じてお選びくださいね。
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シルク印刷とは?シルクスクリーンとの違いは?特徴・メリット・デメリットを解説
シルクスクリーン印刷 プリント作業 以前の記事でシルクスクリーンについて紹介をしたのですが、最近「シルクスクリーンとシルク印刷は何が違うの?」というご質問を頂きました。一言で答えるなら、「同じものを表す場合と違うものを表す場合があります」という非常に解りにくい答えになってしまいます。今日はいつもと少し視点を変えて、印刷方式としてシルク印刷を詳しく掘り下げてみましょう。今回の記事を最後まで読めば「ぷち印刷博士」になれること間違いなしですよ〜! シルクスクリーンについての詳しいお話は、以前の記事をご覧ください。「シルクスクリーンとは?やり方や必要なもの、印刷手順や体験できる場所を紹介」https://www.hando-horizon.com/labo/4506 目次シルク印刷とは?シルクスクリーンとの違いは?シルク印刷のメリットシルク印刷のデメリットシルク印刷のいろいろな使われ方こんなにたくさん!シルク印刷以外のいろいろな印刷方法まとめ シルク印刷とは?シルクスクリーンとの違いは? シルクスクリーン印刷 スクリーン版 最初に書きましたがこの二つの言葉は、同じものを表す場合と違うものを表す場合があります。簡単に分類をすると… シルク印刷 : シルクスクリーン印刷のこと、シルクスクリーン印刷を略したもの シルクスクリーン : シルクスクリーン印刷のこと、あるいはスクリーン自体を示す言葉シルクスクリーン印刷のスクリーンはもともとシルク(絹)でできていたというお話は以前しましたよね。(こちらの記事をご参照ください)「シルクでできたスクリーン」という意味で「シルクスクリーン」とはもともとスクリーンそのものを表す言葉でしたが、シルクスクリーン印刷を略してシルク印刷、あるいはシルクスクリーンと呼ぶこともあることから二つの意味を持つようになったのです。 シルク印刷のメリット シルク印刷の中でも、ご家庭で楽しむ場合のメリットは前回の記事でお知らせしているので、今回はそれ以外のメリットをご紹介します。 シルクスクリーン プリント後 ■濃色生地にも鮮やかに発色するシルクスクリーンプリントは、生地へのインクの沈みが少なく、発色が鮮やかです。たとえば、布に直接印刷できるインクジェットプリントでは、インクが沈んでしまい濃色生地には印刷できない場合もありますが、シルクスクリーンプリントの場合は、濃色生地対応のインクも多く流通しているため、生地の色に影響されることなく鮮やかにプリントすることができます。少し専門的なお話をすると、これはインクの粒子の大きさによるもの。インクジェットプリントよりもシルクスクリーンインクの方が粒子が大きいから沈まない!というわけです。 ■いろいろな素材に印刷できるシルクスクリーンプリントでは、印刷できる生地にあまり制限がありません。たとえばポリエステル100%のドライTシャツ、撥水加工が施されたナイロンウェア、布以外では紙やプラスチック、ガラスや金属などにもプリント可能!素材に合ったインク選びが大切です◎ ■大ロットの生産に向いている版さえあれば大量生産ができるので、基本的には枚数が多ければ多いほどお得になります。しかし、最近では小ロットの生産や、古着のリメイク、手作業で一点物を作りたい!という方も多いはず。そんなときはぜひTシャツくんを使ったシルクスクリーンプリントをおすすめします。Tシャツくんは自宅で簡単にシルクスクリーンが楽しめるキットなんですよ~! ■耐久性が高いシルクスクリーン用のインクは非常に耐久性が高いので、頻繁に洗濯するものなどにプリントしても色落ちや色褪せがほとんどありません。そのため、シルクスクリーン用のインクはそのまま筆などで布に描いてもしっかり定着する優れもの。 シルク印刷のデメリット こちらも前回記事で紹介しきれなかったシルク印刷のデメリットを解説します。■小ロットだと割高になってしまうひとつの版で大量生産ができる、というのがメリットなのでどうしても小ロットでは割高になってしまいます。しかし、最近では小ロットの生産や、古着のリメイク、手作業で一点物を作りたい!という方も多いはず。そんなときはぜひTシャツくんを使ったシルクスクリーンプリントをおすすめします。Tシャツくんは自宅で簡単にシルクスクリーンが楽しめるキットなんですよ~! ■多色刷りだと費用が高くなる多色刷りでは複数の版を用意する必要があります。2色刷り、3色刷り、4色刷りと色の数(版の数)が増えれば増えるほど版代がかさんでしまいます。 シルク印刷のいろいろな使われ方 シルクスクリーン印刷 プリント基板 シルク印刷の技術は実は身近な意外なところで使われています。中でも私が最も意外だと思ったのは、スマートフォンやPCなどの中の配線基板や半導体の中の配線も、シルク印刷が使われていることです。実際にTシャツくんジュニアを使って基板を作っている研究室もあるんだとか!また、皆さんの身近にあるパソコンのキーボードの文字や、電話やリモコンのボタンの文字なども実はシルク印刷でプリントされているんです!同じものをたくさんプリントする、というのはTシャツだけではなくこういうところにも活用されているんですね。 こんなにたくさん!シルク印刷以外のいろいろな印刷方法 さて、シルク印刷は孔版印刷の一種であり、孔版印刷全般を指す言葉としても使われている。というお話をしましたが、印刷には他にどんな印刷があるのでしょう?主な印刷方法を簡単にご紹介します。 オンデマンド印刷(トナー方式・インクジェット方式) オンデマンド印刷 レーザープリンター 会社や学校のコピー機の方式でもあるトナー方式、家庭用プリンターとして有名になったインクジェット方式などをまとめてオンデマンド印刷と呼びます。オンデマンド印刷は「版」を作らない印刷に用いる呼び方で、「版」を作らないため小数からの印刷に向いている方法です。 凸版印刷/凹版印刷 凸版印刷 印鑑 「とっぱんいんさつ」「おうはんいんさつ」は、文字どおり、「版」の凹凸を利用して印刷をします。凸版印刷は、身近なもので例えるなら「印鑑」です。版のでっぱっているところにインクを付けて、そのインクを印刷する対象(紙や布など)に転写します。凸版印刷は鮮明で力強い印刷が可能で、コントラストの強い原稿に向いています。凹版印刷は印鑑の反対で、凹んでいることろにインクを溜めるようにして印刷をします。凹版印刷は中間色の表現に優れていて、写真の印刷に向いています。凹版印刷は別名、グラビア印刷と呼ばれ、「グラビアページ」「グラビアアイドル」などの語源にもなっている印刷方法です。 平版印刷 凸版凹版に対して、凹凸のない版で、水と油の反発作用を利用して印刷するのが平版印刷です。版の制作が凸版や凹版印刷に比べて容易なので、現在はこの平版印刷をさらに応用したオフセット印刷が大量印刷の主流となっています。 オフセット印刷 オフセット印刷 イメージ 基本は平版印刷と似ていますが、平版印刷が印刷する対象(紙や布など)に直接印刷するのに対して、オフセット印刷は平版印刷の方法を使いながら、間接的に印刷をします。間接印刷とは、版から一度、インクをブランケットに移し(オフ)、ブランケットから印刷する対象にインクをつけます(セット)。間接印刷にすることで、平版印刷より幅広いものに印刷が可能で、高速で大量に鮮明な印刷をする場合に向いていますが、少量印刷の場合は非常にコストが高くなってしまいます。 まとめ 今回は視点を変えて、印刷方法としてのシルク印刷について、そのメリットやデメリットとともに、シルク印刷以外の主な印刷方法についてもご紹介しました。こちらの記事もあわせてチェック!東京・吉祥寺でシルクスクリーン体験~手ぶらでできる体験コース&ワークショップ~https://www.hando-horizon.com/labo/4600シルクスクリーンとは?やり方や必要なもの、印刷手順や体験できる場所を紹介https://www.hando-horizon.com/labo/4506