シルクスクリーン「ソフト×クリア」であそぶ!写真の網点加工製版も。

2022年9月に新発売となったTシャツくんシルクスクリーンインクの「ソフト」と「クリアインク」。
やわらかな仕上がりで、なんだか目詰まりしにくいらしいけど実際どうなの?今までのインクと何が違うの?という方のために今回は実験をしてみました!
シルクスクリーンインク「ソフト」って?

シルクスクリーンインク「ソフト」は、生地の質感を損なわず柔らかな仕上がりでプリントできるインク。
いわゆる「染み込み系」と呼ばれるインクなので、元からこんな色の生地でしたよ~というように、インクが乗っている感じがしないインクです!
そのため、手ぬぐいやタオルなど肌に触れるものや、ベビー服にもかなりおすすめ◎
また、紙に刷ってもサラサラとしているので、重ねるとインク部分がべたつきがちな本の中身などにも使えちゃいます。
そして最大の特徴は「透ける」こと!

通常インクの上にインクを乗せると(例:赤の上に青を刷る、など)後から刷ったインクの色で下の色が隠れてしまいますが、ソフトの場合は下の色が透けるんです!
そのまま使用しても下の色は透けて見えますが、ここに「クリアインク」を混ぜるとさらに透明感マシマシ。
まるで水彩絵の具のようにプリントすることができます。
青空の写真を刷ってみる

今回の実験ではその特徴を生かすために青空の写真を使います。
とはいえこのままでは製版できないので、これをグレースケールに変換!

Tシャツくんで製版する場合はここで網点加工をしなければなりませんが、今回は製版サービスを利用するのでこのままでOK!
規定サイズに収めたらこのまま入稿します。
※「高解像度版 シルクスクリーン製版サービス」はリニューアルに伴い販売終了となりました。
>>後継品はこちら
Tシャツくんでは「原稿は真っ黒に!」「とにかく黒くして!」とうるさいくらいに徹底していますが、製版サービスでは機械が製版をしてくれるので、グレー部分は自動的に網点加工が施されるので便利♪
(網点の線数や角度など細かなこだわりがある方はご自身で網点加工をしてからご入稿されることをおすすめします◎)
実際にプリントしてみよう!
①「ソフト」のあおで刷ってみる

まずは「ソフト」のあおでプリント。
空にしてはちょっと色が濃いですが、網点表現も綺麗にできています。
小さな雲まできっちり製版できていますね!
②「ソフト」のあおに「クリアインク」を混ぜる

お次はクリアインクを混ぜてプリントしてみました。
「ソフトあお」が4、「クリアインク」が6の割合で混色しています。
どうでしょう?なかなか良い感じの青空になってきたのでは?
③「ソフト」のあおに「クリアインク」を混ぜる(薄め)

さらにクリアインクを足してみたバージョンがこちら。
2:8でクリアインクがかなり多めです!
水彩画のようでもあるし、本物の写真のよう。これくらいの色合いが個人的には好みです。
④ソフトのあか、きいろに「クリアインク」を混ぜる

今度はあかときいろとクリアを混ぜてみました。
あえて大雑把にぐるぐる混ぜ、最後にちょこっときいろを足して一刷りすれば、なんだかそれっぽい感じの夕焼けに。
⑤「プレーン」の「おれんじ」で刷ってみる

でもそれって網点加工されてるからでしょ?どんなインクでもそんな感じになるでしょ?という方にはこちら。
Tシャツくんインクのスタンダードタイプ「プレーン」でプリントすると、空といえば空ですが、かなり濃くはっきりと印刷されました。
水彩っぽさや透明感はほとんどなくなってしまいました。。
⑥「リッチ」の「あお」で刷ってみる

最後は濃色生地用インク「リッチ」でもプリントしてみました。
青空、強い。
まとめ
・「ソフト」×「クリアインク」は透明感を出せる
水彩画のような透明感を出したい、写真の色味やニュアンスを残した感じでプリントしたい、という場合は「ソフト」と「クリアインク」を使ってみるのがおすすめ。
色を薄めたいときに「白」を混ぜると色そのものが変わってしまいますが、透明な「クリアインク」なら濃度のみを落とすことができるので、まさに水彩絵の具のように使うことができますよ。
・写真の製版なら「製版サービス」がGood
Tシャツくんでも網点加工の原稿を製版することができますが、やはり手でブラッシングをして、という製版になるとあまりに細かい絵柄は難しいもの。
そんなときは「製版サービス」を使ってみるのがおすすめです!
網点加工が難しくてできない、という方もフリーソフトなどで写真をグレーに変換すればOK。
製版サイズに設定したパワポなどに貼り付けてPDFで保存すれば誰でも簡単に入稿できちゃいます◎
いつもとはちょっと違うシルクスクリーン、ぜひ楽しんでみてくださいね。
おすすめ記事
labo- 
								
									
																			Tシャツくん露光時間完全ガイド!サイズ メッシュ 原稿用紙ごとに詳しく解説!
「Tシャツくんの製版が上手くいかない」、「Tシャツくんの露光時間ってどうやって設定するんだっけ?」と思っている方必見!Tシャツくんの露光時間をサイズ、メッシュ、原稿用紙別に詳しく解説します。最適な露光時間を知ることで、製版の失敗のリスクも減り、きれいな版が作れるようになります。これを読めば、あなたもTシャツくん製版マスターになれるかも? Tシャツくん専用原稿用紙について 露光時間について確認する前に、まずは原稿をプリントアウトする「紙」についてご紹介します。Tシャツくんの露光時間は、Tシャツくん専用原稿用紙に合わせて設定されていますので、市販のコピー用紙などを使うと製版が上手くいかない場合があります。(紙の厚さ等の違いで光の透過量が異なるため)必ず「Tシャツくん専用原稿用紙」を使ってプリントアウトしてくださいね。 また、Tシャツくん専用原稿用紙にはいくつか種類があるのをご存じでしょうか。大きく分けて2つ、原稿を印刷するプリンターによって使い分けます。 【インクジェット専用原稿用紙】 インクジェットプリンターを使用してデザインを印刷する場合に使います。裏表があります。右上に欠けがある方が印字面です。 【コピー機・手描き専用原稿用紙】 インクジェット以外のプリンター(レーザー/トナー等)を使用してデザインを印刷する場合、またはデザインを手描きする場合に使います。「80 & 120メッシュ用」と「60 & 230メッシュ用」がありますので、使用するスクリーンのメッシュ数に合わせて選びます。裏表はありません。 Tシャツくんの露光時間 スモール・ミドル・ワイド サイズ別に詳しく解説! 次に使用するTシャツくんの機種に合わせた露光時間をご紹介します。 【Tシャツくんジュニア】 ★露光時間の設定方法 S、M、Lと書かれたつまみを回して露光時間を設定し、スタートボタンを押して露光スタート。点滅している間は露光中。点滅が消えたら露光終了となります。 ★露光時間の対応表 230メッシュ 120メッシュ 80メッシュ 60メッシュ コピー機・手描き用原稿用紙 S S S S インクジェット専用原稿用紙 M L L L 【Tシャツくんミドル(T-M22) ※白い本体】 ★露光時間の設定方法 +-ボタンで露光時間を設定し、▶ボタンで露光スタート。点滅している間は露光中。ピーッと音が鳴り、点滅が消えて点灯に戻ったら露光終了となります。 ★露光時間の対応表 230メッシュ 120メッシュ 80メッシュ 60メッシュ コピー機・手描き用原稿用紙 1 2 2 4 インクジェット専用原稿用紙 3 4 4 6 【Tシャツくんワイド製版機】 ★露光時間の設定方法 分と秒ごとに「10+」と「1」のボタンで露光時間を設定し、スタートボタンで露光スタート。時間のカウントダウンが動いている間は露光中。カウントダウンが止まり、設定した露光時間の表示に戻ったら露光終了となります。 ★露光時間の対応表 230メッシュ 120メッシュ 80メッシュ 60メッシュ コピー機・手描き用原稿用紙 1分10秒 1分10秒 1分10秒 1分10秒 インクジェット専用原稿用紙 3分 4分15秒 4分15秒 4分15秒 【番外編:TシャツくんBlack】 「手描・コピー用」または「インクジェット用」ボタンを押して露光スタート。点滅している間は露光中。点滅が消えたら露光終了となります。 230メッシュ 120メッシュ 80メッシュ 60メッシュ コピー機・手描き用原稿用紙 手描コピー用 インクジェット専用原稿用紙 インクジェット用 まとめ 今回は、Tシャツくんの製版に重要な「紙」と紙に合った「露光時間」についてご紹介しました。この2つは製版作業において重要なポイントとなりますので、必ず守ってくださいね!Tシャツくんを使いこなして、快適にシルクスクリーンプリントを楽しみましょう!
 - 
								
									
																			シルクスクリーンによる挿絵 草間彌生×不思議の国のアリス
以前の記事でシルクスクリーンのアーティストとして紹介した草間彌生さん。今回はその草間彌生がアートワークを手掛けた本、「不思議の国のアリス」の紹介です。思わずジャケ買いして飾っておきたくなる程ステキな本の挿画は、シルクスクリーンで作られたもの。今話題の展示会「特別展アリス― へんてこりん、へんてこりんな世界 ―」でも展示されている本です。 ▼ 以前の記事はこちら https://www.hando-horizon.com/labo/5391 シルクスクリーンのアート作品 有名作家の紹介も ● 草間彌生 とは 草間彌生の作品 (https://www.hando-horizon.com/labo/5391) 前衛芸術家・小説家。アートにあまり詳しくない人でもドット(水玉模様)のカボチャはどこかで目にしたことがあると思います。 1950年代に渡米しネット・ペインティング、突然パフォーマンスを始めるハプニングや体験型インスタレーション等を行い「前衛の女王」と呼ばれました。2016年には文化勲章を受章。1929年生まれの草間氏は、現在も現役の日本を代表するアーティストです。 ● 草間 彌生 作品の特徴 幼いころから幻聴や幻覚に悩まされ、その世界観を描いていました。ドットや網目をはじめ同じモチーフを反復しているのが特徴的です。 ● 世界中で愛されている児童文学、不思議の国のアリス 「子供のときに読んだことがあるけど、どんな話だったか思い出せない」という人も多いのではないでしょうか?少女・アリスは時計を持ったウサギの後を追いかけて、不思議な世界へ。個性豊かなキャラクターたちと出会いながら冒険するファンタジーです。 ● 「不思議の国のアリス」原作は? 引用:https://alice.exhibit.jp/works/ アリス展 マッド・ハッターのお茶会でのアリス、『不思議の国のアリス』初刊行版本より、ジョン・テニエル画、1866年、V&A内ナショナル・アート図書館所蔵 © Victoria and Albert Museum, London ● 作者 ルイス・キャロル 本名チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン。イギリス・オックスフォード大学の数学教授。 「不思議の国のアリス」の物語が生まれたきっかけは、彼の知人の子供たちと遊んでいるときに即興で話したことでした。 1865年に『不思議の国のアリス』(原題: Alice’s Adventures in Wonderland)初版刊行。続編は1871年に『鏡の国のアリス』(原題:Through the Looking-Glass, and What Alice Found There)を発表しています。 ● 挿絵 ジョン・テニエル 当時イギリスで風刺画家として人気の絵師。「不思議の国のアリス」刊行にあたり作者のドジソンとレイアウトやイラストを綿密に計算し、現在でも愛されるアリスの世界観を作り上げています。当時の挿絵は木版画で作成されました。 ● 草間彌生 in ワンダーランド 『不思議の国のアリス With artwork by 草間彌生』(ルイス・キャロル 著、楠本君恵:訳/グラフィック社)引用:MoMA Design Store(https://www.momastore.jp/shop/g/g9784766124545/) 草間彌生が挿絵を担当した『不思議の国のアリス With artwork by 草間彌生』(初版2013年 ルイス・キャロル 著、楠本君恵:訳/グラフィック社)も、アリスの世界をテーマにした素晴らしい作品の一つ。もともとはイギリスの現代美術館『テート・モダン』での草間氏の個展に併せて企画・出版されたものだそうです。 ● アリスの世界観と草間 彌生の作品がぴったり マッドハッターを思わせる帽子(シルクスクリーン作品)/『不思議の国のアリス With artwork by 草間彌生』(ルイス・キャロル 著、楠本君恵:訳/グラフィック社) ワンダーランドの主役は草間彌生。アリス、ウサギ、チェシャ猫、芋虫やハッドハッター等のキャラクターそのものは描かれていません。それでもポップでカラフル、そしてサイケデリックな挿画は本文の幻想的なイメージとぴったり。 挿画はほとんどがシルクスクリーンで制作されたものだそう。色使いや反復するモチーフなど、草間彌生の作品をたっぷり堪能することができます。 声に出して読みたいタイポグラフィ/『不思議の国のアリス With artwork by 草間彌生』(初版2013年 ルイス・キャロル 著、楠本君恵:訳/グラフィック社) 本文は原作に沿った現代日本語訳です(原作冒頭の詩は省略)。遊び心のあるタイポグラフィもこの本の見どころ。内容に沿って文字が大きくなったり小さくなったりと変化するのが面白く、読み進めていくうちにどんどん不思議の国の世界へ引き込まれていきます。 本の装丁もステキです。このまま部屋に飾れます。(撮影:筆者) ● 大人も楽しめる絵本 大人になってから読む「不思議の国のアリス」は時代背景と風刺が理解できたり、キャラクターの噛み合わない会話を楽しんだりと、子供時代とはまた違ったおもしろさがあります。 豪華な挿絵もあるこちらの本は、草間彌生の絵が欲しいと思っている方にもおすすめ。プレゼントにしてもおしゃれですね。 ● 「不思議の国のアリス」の魅力とクリエイター 動くチェシャ猫のインスタレーション(撮影:筆者)特別展アリス― へんてこりん、へんてこりんな世界 ―/森アーツセンターギャラリー(https://alice.exhibit.jp/about/) アリスが冒険するのはだれも行ったことのない不思議の国。インパクトの強いキャラクターが織りなす非現実的な物語は、様々なクリエーターにインスピレーションを与えます。 イラストや映画、舞台、ファッション等「不思議の国のアリス」がテーマとなっている作品も多く作られてきました。この記事で紹介している草間彌生の本も展示されていますよ。 ● 「不思議の国のアリス」展示会も大人気 今話題の『特別展アリス― へんてこりん、へんてこりんな世界 ―』では「不思議の国のアリス」が生まれた時代背景や様々なジャンルのアリス約300点もの作品に触れることができます。没入型の展示&演出もあり、自分も不思議の国に迷い込んだようなワクワク感があります。 東京(2022年7月16日〜10月10日)―大阪(2022年12月10日〜2023年3月5日)と順に開催しているので、のぞいてみてはいかがでしょうか。 ケース内の右 草間彌生の本が展示されています(撮影 筆者)特別展アリス― へんてこりん、へんてこりんな世界 ―/森アーツセンターギャラリー ● 「不思議の国のアリス」で創作意欲が湧いてきたら、シルクスクリーンを体験してみよう! 数々のクリエーターと同じように「不思議の国のアリス」からインスピレーションを得たら、ぜひオリジナル作品をつくってみませんか? ▼ シルクスクリーンの作り方に関する過去記事はこちらもおすすめ。 https://www.hando-horizon.com/labo/4506 シルクスクリーンとは?やり方や必要なもの、印刷手順や体験できる場所を紹介 https://www.hando-horizon.com/labo/4600 東京・吉祥寺でシルクスクリーン体験~手ぶらでできる体験コース&ワークショップ~ 「草間彌生のように、私も本が作りたい」という方に朗報です! 手作りで本を作れるオープンアトリエ型ワークショップART BOOK TRIAL 2022を開催中。詳細は下記のリンクよりご確認ください。 >> https://www.hando-horizon.com/info/6330/ 【参考サイト】 特別展アリス― へんてこりん、へんてこりんな世界 ― https://alice.exhibit.jp/about/ 草間彌生 美術館 https://yayoikusamamuseum.jp/
 - 
								
									
																			シルクスクリーンで写真を刷ろう!②【フルカラープリント編】
ひとつ前の記事では、写真をシルクスクリーンプリントするための【データの作り方】や【網点】について解説しました。(記事はこちら) 実は、少し難易度が上がりますが、1色印刷だけではなくフルカラーでプリントすることもできます。こちらは実際にフルカラーで刷ったもの。 4色のインクを重ね刷りしてフルカラープリント! シルクスクリーンで写真をフルカラープリントするには、写真データを【4色分解】&【網点処理】をして版を作り、4つの版を重ね刷りしていきます。1色印刷よりも工程が多いですがインクが重なっていく工程はワクワクしますよ! ということで今回は、写真をフルカラープリントする方法についてご紹介していきます! ◎目次① 4色分解とは?② データの作成 1.Photoshopで写真を開く 2.CMYKに変換 3.サイズと解像度を設定 4.チャンネルを分割 5.モノクロ2階調→網点設定 └「角度」が大事! 6.トンボを付ける③ プリント └ インク選び └ 刷り順 └ 位置合わせのコツ④ まとめ ① 4色分解とは? 4色分解とは、画像データを C(シアン) M(マゼンダ) Y(イエロー) K(ブラック) の4つの情報に分解すること。 分解した4つのデータを個別に製版し、色を重ねて印刷することで多様な色彩を表現します。 ② データの作成 1.Photoshopで写真を開く まずは、プリントしたい写真をPhotoshopで読み込みます。 東京タワーの写真を取り込みました! 2.CMYKに変換 次に、カラーモードをCMYKに変換します。メニューバー〈イメージ〉→〈モード〉→〈CMYK〉を選択 カラーモードをCMYKに変換 3.サイズと解像度を設定 「サイズと解像度」を設定します。メニューバー〈イメージ〉→〈画像解像度〉を選択 画像解像度を選択 以下のダイアログボックスが表示されたら、サイズと解像度を設定します。 ・幅、高さを入力(左の鎖マークが繋がっているか注意!)・解像度は「300」と入力(単位はpixel/inch) サイズと解像度を設定 4.チャンネルを分割 データをチャンネル分割します。「チャンネル」とは、画像を構成するカラー情報(今回はCMYKの4つ)をそれぞれグレースケールで表したもの。 メニューバー〈ウィンドウ〉→〈チャネル〉を選択し、チャンネルのウィンドウを開きます。 チャンネルウィンドウを開きます チャンネルウィンドウが開いたら、右上に表示されているハンバーガーメニューにカーソルを合わせ、表示されたリストから 〈チャンネルを分割〉を選択します。 チャンネルを分割 CMYKそれぞれの画像データが新規ファイルとして開かれたら、OK! チャンネルごとに新規ファイルが開きました 5.モノクロ2階調→網点設定 4色分のデータに、それぞれ網点処理をしていきます。メニューバー〈イメージ〉→〈モード〉→〈モノクロ2階調〉を選択 モノクロ2階調 モノクロ2階調を選択すると、2つのダイアログボックスが出てきます。 「モノクロ2階調」のダイアログボックスでは ・解像度の出力:300pixel/inch・種類:ハーフトーンスクリーン と入力し、OKをクリック。 モノクロ2階調 ふたつ目に表示される「ハーフトーンスクリーン」のダイアログボックスでは線数・角度・網点形状を設定します。それぞれの役割や意味については、「シルクスクリーンで写真を刷ろう!①」の記事内で詳しく解説していますのでそちらをご覧くださいね。 入力数値は ・線数 :お好みでOK ※Tシャツくん製版の場合、オススメは10~15線・角度 :C→15 M→75 Y→35 K→45・網点形状:お好みでOK(オススメは円) ハーフトーンスクリーン 角度が大事! 「角度」とは、網点(ドット)が並ぶ方向のこと。フルカラー印刷においては、 C→15度 M→75度 Y→35度 K→45度 と角度をズラして設定するのが一般的です。 理由は、「モアレ」防止。全ての角度が同じ、または近い数値だと「モアレ」と呼ばれる予期せぬ縞模様が現れることがあります。そのため角度を不揃いにすることがポイントになります。 6.トンボを付ける スムーズな位置合わせのために付けておきたいのが、トンボ(目印)!4つのデータに同じ目印を付けて製版するとプリントの位置合わせがとっても簡単になります。 今回はillustratorに画像を取り込んでから、上の角2か所にトンボを付けました! 上の角2か所にトンボを付けました。 目印になればトンボ以外の形でも大丈夫。ここまで出来たら製版をしてプリントに進みましょう! ③ プリント インク選び C→青系、M→ピンク系、Y→黄系、K→黒系 になりますが、何色を選ぶか迷いますよね。 ということで、4パターンで刷ってみました! 使用したインク:そらいろ/ぴんく/きいろ/くろ※すべてプレーン C:そらいろ M:ぴんく Y:きいろ K:くろ 写真の色に近い雰囲気になりました!写真に忠実にプリントしたい場合はこの組み合わせがオススメ◎ 使用したインク:ねおんぶるー/ねおんぴんくねおんいえろ-/こん ※すべてプレーン C:ねおんぶるー M:ねおんぴんくY:ねおんいえろ- K:こん トイカメラで撮ったような色味になりました!!個人的にはこの組み合わせが一番好みでした~! 使用したインク:そーだ/さくらねおんいえろ-/ぐれー ※すべてプレーン C:そーだ M:さくらY:ねおんいえろ- K:ぐれー あわ~い、夢の中のような雰囲気。写真とは違う味わいになって面白いです。 使用したインク:みんと/らべんだーねおんいえろ-/ぶらうん ※すべてプレーン C:みんと M:らべんだーY:ねおんいえろ- K:ぶらうん ガラッと色を変えて遊んでみました。このようにCMYKの色に縛られずに好きな色を組み合わせてみるのもOK!ちなみに「みんと」「らべんだー」などのパステル系は重ね刷りしたときの隠ぺい力が高く、最初に刷った「ねおんいえろー」はほとんど隠れてしまいました。この場合は「ねおんいえろー」を最後に刷ってもよかったかもしれません。 ▶プレーンインクの商品ページはこちら! 刷り順 淡い色から濃い色の順(Y→M→C→K)が基本の刷り順です。理由は、重ね刷りをしたときに濃い色の方が下の色の影響を受けにくいから。 Y→M→C→Kの順(淡い順)でプリントしたものと、K→C→M→Yの順(濃い順)でプリントしたものを比較してみましょう! Y→M→C→K(淡い順)でプリント K→C→M→Y(濃い順)でプリント 同じインクを使っていても全く色の出方が違いますよね。左は写実的な色味になりましたが、右はちょっと幻想的。これもまた手刷りの味ですね! 位置合わせのコツ 目印(トンボなど)を入れて製版すれば、位置合わせはとっても簡単! まずは、原寸で出力した原稿用紙を使ってプリント位置を決めます。位置を決めたらマスキングテープなどで貼り付け、トンボ部分を残してハサミでカット。 プリント位置を決めます 位置を決めたらテープで貼り付け、トンボを残してカット あとはトンボを重ね合わせてプリントするだけ。版側のトンボにはインクが通らないように、必ずふさいでおきましょう!トンボを重ねたときに透けて見えた方がいいので、透明のテープがオススメです。 素材に貼ったトンボと版のトンボを重ねます 重ね刷りをしていくと… 1刷り目:(きいろ)) 2刷り目:M(ぴんく) 3刷り目:C(そらいろ) ラスト!:K(くろ) 良い感じに刷れました♪ トンボでの位置合わせについては動画でもやり方をご紹介していますのでぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtube.com/shorts/gOuTO1ROCQA?feature=shared ④ まとめ いかがでしたでしょうか?今回はかなりレベルを上げて、写真のフルカラープリントについて解説しました!手間がかかりますが、色が重なっていく過程はとても楽しいですよ。ぜひチャレンジしてみてくださいね。 HANDoでは、シルクスクリーンを通してものつくりやみなさまの新しい一歩のサポートをしています。 シルクスクリーンのワークショップを運営してみたい!イベントでシルクスクリーンをやってみたい! など、シルクスクリーンにご興味をお持ちでしたら、ぜひ一度HANDoへご相談ください。シルクスクリーンのお役立ち情報「ものつくりLABO」やイベントレポートも随時更新しています。 >「ものつくりLABO」記事一覧 > イベントレポート一覧 > お問い合わせフォーム
 - 
								
									
																			【購入?サブスク?製版サービス?迷った時は】シルクスクリーンタイプ別診断チャート
シルクスクリーンをやってみたいけど、たくさん商品があってよくわからない…なんてことはありませんか?Tシャツくんは購入とサブスク・レンタルサービスどちらが良いの?シルクスクリーン製版サービス ロゴスルとの違いは何?など、それぞれの特徴をご紹介。あなたに向いている商品・サービスをタイプ別にご提案します!自分にぴったりの商品・サービスを見つけて、シルクスクリーンを始めてみよう! Tシャツくんとシルクスクリーン製版サービス ロゴスルの違い Tシャツくん 版から自分でつくることができるシルクスクリーンプリントキット。誰でも手軽に、本物品質のシルクスクリーンを体験できる道具。デザインはデータだけでなく、紙に手描きすることも可能。 シルクスクリーン製版サービス ロゴスル データを送ると製版済みの版が届く便利なサービス。Tシャツくんフレームを使用することで何度でも版の張替が可能。手描きデータがデータ化できない方はTシャツくんの利用も検討しよう。 シルクスクリーンどれにする?タイプ別診断チャート ↓ 診断結果を見てみよう!A ⇒こちらB ⇒こちらC ⇒こちらD ⇒こちらE ⇒こちら A ⇒Tシャツくんサブスク・レンタルサービスがおすすめ 決まった期間だけ使いたいという方はサブスク・レンタルサービスがおすすめ。版づくりの工程も自分でできるので、シルクスクリーンの仕組みを学ぶことができます。学校の授業やイベント、ご購入前のお試しにもぴったり。>> Tシャツくんサブスク・レンタルサービス B ⇒Tシャツくんミドルがおすすめ 製版作業も自分でやりたいし、長く活用していく予定があるという方はTシャツくんミドルのご購入がおすすめ。版づくりから手をかけることで、モノをつくるだけでなく、前後のストーリー(コト)も大事にしたいという方にも選ばれています。>> Tシャツくんミドル ★Tシャツくんミドルにはこんな活用方法もあります Tシャツくんミドルの最大デザインサイズは22cm角以内。普段はそれでも十分だけれど、たまに大きなサイズのデザインもプリントすることがあるという方は、「シルクスクリーン製版サービス ロゴスル」との併用がおすすめ!必要な時だけワイドサイズ(最大デザインサイズ21×31cm)を注文すれば、費用も抑えることができ、収納スペースにも困りません。>> シルクスクリーン製版サービス ロゴスル C ⇒Tシャツくんワイドがおすすめ 版づくりも自分でやりたいし、大きなデザインをプリントすることが多いという方はTシャツくんワイドがおすすめ。22×36cm(推奨は22×32cm程度)までのデザインを製版することができるTシャツくんワイド製版機。Tシャツのバックプリントのような大きなデザインはもちろん、ミドルフレームやスモールフレームも製版できるので、まさに大は小を兼ねる最強コスパです。>> Tシャツくんワイド製版機 ★Tシャツくんワイド印刷機との併用がおすすめ ワイドフレームは片手で押さえて片手でプリントすることもできますが、大きなデザインになればなるほど一人でプリントするのはかなり大変…ワイド印刷機があれば、フレームを固定することができるだけでなく、Tシャツ数十枚などの多枚数プリントの時も位置合わせが楽にでき、一気にプリントできるので作業効率が大幅アップ!>> Tシャツくんワイド印刷機 D ⇒シルクスクリーン製版サービス ロゴスルがおすすめ 版づくりはプロにお任せしてプリント作業に集中したいという方は、データを送るだけで製版済みの版が届くシルクスクリーン製版サービス ロゴスルがおすすめ。スモール~ワイドまでの各種サイズに加え、より本格的なアルミフレームも取り揃えています。>> シルクスクリーン製版サービス ロゴスル ★ワイド以上のサイズはTシャツくんワイド印刷機との併用がおすすめ ワイドフレームやアルミフレームを使う時はワイド印刷機との併用もおすすめ。ワイド印刷機があれば、フレームを固定し一人で作業できるだけでなく、Tシャツ数十枚などの多枚数プリントの時も位置合わせが楽にでき、一気にプリントできるので作業効率が大幅アップ!>> Tシャツくんワイド印刷機 E ⇒相談・レクチャーへ 新商品イベントやワークショップなど企業での利用を検討している方は一度ご相談ください。イベント規模や概要などをヒアリングさせていただき、必要なものをご提案いたします。また、実際のイベントを想定したレクチャーも行っていますので是非ご活用ください。>> 相談・レクチャーはこちら フルカラーのデザインなら『転写フィルム作成サービス』 シルクスクリーンではやや上級者向けのフルカラー印刷は、転写フィルム作成サービスもおすすめ!フルカラーのイラストもそのままプリントすることが可能。アイロンで簡単に転写することができるので、特別な技術は必要ありません。>> 転写フィルム作成サービス シルクスクリーンを始めてみよう! 自分にぴったりの商品・サービスは見つかりましたか?Tシャツくんの使い方レクチャーも平日9時30分~16時45分の間で行っています。動画だけでは分かりづらい点などをご質問いただきながらご参加いただけますので、こちらもぜひご活用ください。