おぎこの家ラボ①~パネル忘れた編~~金なのにメッシュ間違えた編~

家でTシャツくんやるのって面倒?代用品や良いアイデアはない?などなど、みなさまの声にお応えできるよう!
テレワーク中のおぎこの家実験をちまちまゆるーくアップしていきますので、
みなさまぜひぜひゆるっとお付き合いくださいませ?
テレワーク中のおぎこ。「いざサンプル作成!」と製版までしたものの…
中に敷くパネルがない!

頑張って荷物を詰め詰めしたのになんと…パネルを忘れるという失態……
吉祥寺の工房が便利すぎてすっかり頭から抜けていました?
それにしても皆さん…Tシャツくんどこで作業しているんだろう…リビング?自室?床…??
さて、この紙袋に入る硬いものないかな~と、ちょうど良いものがありました!
四谷学院の下敷き!!
おぎこ予備校の時代のものです。東進の下敷きでもいいよ


いや・・・ぴったりすぎ
持ち手が邪魔なので逆さまで
うーん…このポッコリ気になるけど、まあいいか(※おぎこはかなりのズボラです)

そして気付くおぎこ…
金インクなのに120メッシュにしちゃった!!
※金銀インクはラメが詰まるので60~80メッシュ推奨です
気にせず刷ります


普通にいけた!

お掃除をして…目詰まりも無し!


<<実験まとめはこちら>>
- 中に敷くパネルは硬くて刷る面が平らになればなんでも良い
※Tシャツなど布にプリントする時はズレないように軽くスプレーのりを吹きかけてださい?
- 金銀インクは120メッシュでもまあいける
※推奨は60〜80メッシュなので目詰まりに気をつけて作業してね!
次回の更新は気が向いたら?ではまた〜!
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前回の続き、製版〜プリントまで!原稿の作り方は一つ前の投稿をチェック?✨ 【失敗しないコツ】 ・ブラッシングの時ハケは立てて垂直に!くるくると小さな円を描くようにブラッシングする。(斜めにしたりガシガシ擦ると崩れたりピンホールができてしまいます。) ・ブラッシングの時はできるだけフレームの中に水が入らないように!(フレームに挟まっている部分のスクリーンは感光液が固まっていません!水が入ると溶けて固まり最後スクリーンを取る時にめちゃくちゃ面倒なことになります…) ・スクリーンはパンパンに張る!ネジは限界まで締めて、叩くとパンパン!と太鼓の音が鳴るくらい張りをよくすると目詰まりしにくく、版離れも良くなります◎ 原稿を剝がしたら両面を濡らします。 フレームの隙間に水が入らないように絵柄の部分だけ濡らしてね! ハケでくるくる擦ると・・・ だんだん絵柄が見えてきた! 両面をティッシュで拭いてドライヤーで乾かせば完成! こんな感じ! いざインクを乗せて刷ります・・・が、 乗せる場所が狭いのでスキージの方にインクを盛ります(これ裏技!) 置いて、両手で刷ります。 下へゴリゴリと押しつけるように!(なでるように、ではなく力強く!!) 付属の樹脂スキージよりウレタンスキージの方が紙印刷にはベスト◎ おお~! 綺麗にプリントできてる! せっかくなので違う色でも刷ってみました。 皆さんもぜひお試しあれ~! こんなことはできる?これ教えてほしい!などなどご質問やご意見も募集中! コメントやDMでお気軽にお声掛けくださいね☀️ この投稿をInstagramで見る HANDo(ハンドゥ)(@hando__official)がシェアした投稿
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Tシャツくんシルクスクリーンインク徹底比較!プレーン・ソフト・リッチ…どれがおすすめ?インクの選び方。
発売から35年。初めての全面リニューアルとなったTシャツくんシルクスクリーンインク。種類をどーんと増やして発売となりましたが、今回はその中でもスタンダードな「プレーン」「ソフト」「リッチ」の3種類を徹底比較!白いTシャツ、黒いTシャツに実際にプリントしてみました。 今回使うインクは? Tシャツくん水性シルクスクリーンインク ・Tシャツくんシルクスクリーンインク<プレーン> あか/みどり・Tシャツくんシルクスクリーンインク<ソフト> あか/みどり・クリアインク(ソフト専用)・Tシャツくんシルクスクリーンインク<リッチ> あか/みどり新しくなったTシャツくんインクのスタンダードな3種類を使用します!クリアインクはソフトに混ぜて使う特殊なインクです。それぞれのインクを綿の白いTシャツ、黒いTシャツにプリントして違いを見てみたいと思います。それでは早速いってみよう~! 白いTシャツにプリントしてみる 白い生地へのプリント比較。今回はそれぞれを「みどり」を刷ってから「あか」を上に重ねてみました。使用したスクリーンはTシャツくんスクリーンの120メッシュです。 ①シルクスクリーンインク<リッチ>でプリント Tシャツくん水性シルクスクリーンインク リッチ で白いTシャツにプリント ぱっと見の特徴としては先にプリントした「みどり」があまり見えなくなっていて、後からプリントした「あか」が覆い隠しているような感じです。インク自体の隠ぺい力が強いので、後からプリントする色がこってりと発色しています。触った感じはちょっとザラザラ、かため。 ②シルクスクリーンインク<プレーン>でプリント Tシャツくん水性シルクスクリーンインク プレーン で白いTシャツにプリント お、リッチとは少し違うのがわかりますね!リッチよりも先にプリントした「みどり」が透けています。触った感じはリッチよりもやわらかく、ゴワゴワ感が少し軽減されました。 ③シルクスクリーンインク<ソフト>でプリント Tシャツくん水性シルクスクリーンインク ソフト で白いTシャツにプリント これはまたぐっと発色が変わりましたね。リッチやプレーンよりも少しパキッとしていて、鮮やかな赤という感じです。インクのベースが透明なので色が透けたような感じになり、「みどり」と「あか」、どちらを先にプリントしたのか分からない仕上がりになりました。もしやこれは色組み合わせ次第で重なる部分の色を自分好みにできる…?触った感じはシルクスクリーンとは思えないほどやわらかく、布の質感そのもの。 ④シルクスクリーンインク<ソフト>に<クリアインク>を混ぜてプリント Tシャツくん水性シルクスクリーンインク ソフト にクリアインクを混ぜて白いTシャツにプリント 色が薄くなった…!ソフトにクリアインクを混ぜることでより透明感を出すことができました。通常白色のインクを混ぜるとパステル調になってしまうのですが、クリアインクは透明なので色を変えずに濃度を調整することができます。触った感じは③と同じくやわらかく、インクが染み込んだ感じの仕上がり。 並べて見てみると…? Tシャツくん水性シルクスクリーンインクで白いTシャツにプリント比較 おお…!こうして並べて見てみるとかなり違いがわかります。色味や発色の仕方、色の重なり方など…好みのものはありましたか?ちなみに、水性インクでのシルクスクリーン印刷で気になる「目詰まり」は以下の通りです。<目詰まりしにくいインク>・プレーン・ソフト<目詰まりしやすいインク>・リッチメーカーが目詰まりしやすいなんて言っちゃっていいの?と思ったあなたへ。その理由を「黒いTシャツへのプリント」で解明しましょう! 黒いTシャツにプリントしてみる こちらも白い生地へのプリントと同様、「みどり」をプリントした後に「あか」をプリントしました。同じく使用したスクリーンはTシャツくんスクリーンの120メッシュです。 ①シルクスクリーンインク<リッチ>でプリント Tシャツくん水性シルクスクリーンインク リッチ で黒いTシャツにプリント 120メッシュにしてはきれいに発色しました!隠ぺい力が高いインクとあって濃色生地にもふんばって発色してくれました。とくに2色が重なり合った部分は緑色が完全に見えなくなっています。ちなみに…濃い色の素材には120メッシュより80メッシュのほうが濃く印刷できます!その違いは次回のおぎこラボにて!しばしお待ちくださいませ! ②シルクスクリーンインク<プレーン>でプリント Tシャツくん水性シルクスクリーンインク プレーン で黒いTシャツにプリント おやおや…かなり色が薄くなりましたね。真ん中の色が重なった部分はまだきれいに発色していますが、とくにみどりは色が沈みがちに…リッチとプレーンを見ると先ほどの目詰まり問題、なにかヒントが見えてきませんか? ③シルクスクリーンインク<ソフト>でプリント Tシャツくん水性シルクスクリーンインク ソフト で黒いTシャツにプリント なんと…これはさすがにひどいですね。というのもソフトは【淡色生地専用】なんです!なのでこれは不良品ではありませんよ~。先ほどちらっとお話ししましたが、ソフトはベースが透明で染み込むタイプのインクなので淡い色の生地にしか発色しないんです。間違えて使用してしまわないようにご注意くださいね。 ④シルクスクリーンインク<ソフト>に<クリアインク>を混ぜてプリント Tシャツくん水性シルクスクリーンインク ソフト にクリアインクを混ぜて黒いTシャツにプリント ③よりも見えなくなってしまいましたね。淡色生地専用のインクをさらに透明にしたんですものね。割愛しましょう。 並べて見てみると…? Tシャツくん水性シルクスクリーンインクで黒いTシャツにプリント比較 これは白い生地に比較してみたときより圧巻ですね!黒いTシャツなど濃い色の生地にプリントするときは断然<リッチ>がおすすめなのが分かります。プレーンでも発色しないことはないですが、より濃く発色させたいときは<リッチ>を使うことをおすすめします!より濃くプリントしたいときは刷り方やスキージを変えてみるのもポイント。刷り方でこんなに違う!?~シルクスクリーン印刷 黒Tシャツに白インク~ではこってりプリントする方法を紹介しています。そしてここで先ほどの目詰まり問題を復習しましょう…<目詰まりしにくいインク>・プレーン・ソフト<目詰まりしやすいインク>・リッチなるほど、と思ったみなさま、さすがです。サラサラしているインクより、こってりしているインクのほうがスクリーンのメッシュを通りづらいというのはイメージしやすいかと思います。濃い色の生地にこってりきれいに発色させるには、スクリーンの目詰まり問題と戦わなくてはならないのです…とはいえ、逆に言うと目詰まりしやすいインクは使いづらいインクなのではなく、濃色生地に発色しやすい!というメリットを持つインクということなんですね!Tシャツくんインクを選ぶなら… Tシャツくんシルクスクリーンインク比較表 初心者の方やシルクっぽさを楽しみたい方にはまず<プレーン>をおすすめしています。紙に印刷したいな、布の柔らかさを残した染み込む系のプリントがしたいな、はたまたクリアインクで透明感を出してみたい!という方は<ソフト>をぜひぜひ使ってみてください!そして、どうしても濃い色の生地にプリントしたいんだ!という方は<リッチ>をご使用くださいね。それぞれのインクの特長や実際のサンプルはTシャツくんインク特長紹介をご覧ください!撥水生地にプリントできるインクやもこもこ膨らむインクも紹介しています。 まとめ シルクスクリーン印刷で避けて通れない目詰まり問題。目詰まりしやすいインクには他にはないメリットがある!ということですね。みなさんのインク選びにひとつ、参考にしていただけたら嬉しいです!
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シルクスクリーン 多色刷りの位置合わせのコツをご紹介!~①クリアファイル編~
2色刷りで作ったロゴマーク シルクスクリーン印刷において、複数の色で印刷をすることを「多色刷り」といいます。 多色刷りで一番重要なプロセスが〈原稿のつくり方〉と〈位置合わせ〉。 難しそう…と思っている方も多いのではないでしょうか?しかし、コツをつかめば意外と簡単です! 様々な方法がありますが、HANDoでは、作業をする環境や印刷する素材によって、以下の2つを使い分けています。 【その1】クリアファイルを使った方法・版(フレーム)を固定できる環境・薄手の生地や紙など厚みがないものに刷るとき・クリアファイルの幅に収まるサイズのものに刷るとき例:ポストカード、薄手のハンカチ、薄手のマチ無しトートバッグ(A4以内)、など 【その2】トンボを使った方法・版を固定できない環境・厚手の素材に刷るとき・クリアファイルよりも大きいものに刷るとき例:大人用のTシャツ、トレーナー、マチの付いた袋物(バッグ、巾着)、など そこで本記事では、【その1】の〈クリアファイルを使った方法〉について、詳しくご紹介していきます。 ▶【その2】のトンボを使った方法は、以下の記事をご覧ください! https://www.hando-horizon.com/labo/10087 クリアファイルで位置合わせをする方法 必要な道具 用意するものは、通常のシルクスクリーンの道具に加えて、以下の3つ! 1)クリアファイル 2)はさみ 3)クリアファイルを台に留めるテープ クリアファイル、はさみ、養生テープ 〈STEP 1〉多色刷り用の版を作る まずは、多色刷り用の原稿を用意しましょう。色ごとにデータを分けて、すべて黒のデータにします。 今回は例として、こちらの2版のデータを用意しました。下画像の「版1」と「版2」を2色刷りして、「完成イメージ」のデザインを作っていきます。 Tシャツくんミドルフレームに、横に配置をして製版しました!このように1枚のスクリーンにまとめて配置する場合、しっかりと間隔をあけると刷りやすくなりますよ。 できあがった版がこちら! 〈STEP 2〉クリアファイルのセッティング ここでいよいよ、クリアファイルの登場です! まずはクリアファイルの下の部分(接着されている部分)をハサミでカットして、ペラ一枚のシート状にします。 クリアファイル下の、接着されている部分を切り落とします 2枚のシートになりました 次に、クリアファイルを作業台(下画像ではTシャツくんワイド印刷機を使用)に留めます。このとき、マスキングテープの粘着が弱いと剥がれやすいので、養生テープなど粘着の強いテープがあるとなお◎です。片側をテープで止めて、もう片方がパタパタと開ける状態にしてください。 左手側をテープで留めて、右手側を開ける状態にしました。 〈STEP 3〉1色目の印刷 印刷する素材に中敷きをセットしたら、さっそく1色目を刷っていきましょう。 ※今回の例のように1枚のスクリーンに複数レイアウトしている場合は、印刷しない部分はマスキングテープで隠してくださいね。 版をホルダーに固定し、1色目をクリアファイルの上に刷ります。 クリアファイルの上に刷ります 印刷位置がわかりました クリアファイルに印刷 これで、1色目のインクがのる位置がわかりましたね。このクリアファイルの印刷位置をガイドにしながら、印刷する素材をクリアファイルの下にセットし、位置を調整します。 1色目の位置合わせ 位置が決まったら、クリアファイルをめくって、印刷します。 1色目を印刷します 印刷できました 予定通りの位置に刷れました。同じものを複数制作する場合は、このまま続けて1色目をひたすら刷ってくださいね。 1色目が刷り終わったら、クリアファイルに刷ったインクは拭き取りましょう。 版の掃除もおわすれなく! クリアファイルについたインクは乾いた布やティッシュで拭き取れます。 〈STEP 4〉2色目以降の印刷 1色目の印刷面が乾いたら、2色目を刷りましょう。1色目と同じ手順で、版をホルダーに固定します。 スクリーンのマスキングテープを貼りなおして、2色目をクリアファイルの上に印刷! 2色目はこの位置に決まりました。 1色目同様に、クリアファイルで位置を合わせていきましょう。 ここがクリアファイルの便利なところ!透けて見えるから、位置合わせがしやすい!! 1色目印刷済みの素材を下から透かせて位置を調整していきます。 2色目はこのように重なるイメージで刷っていきます! 位置が決まれば、クリアファイルをめくって素材に印刷します。 2色目印刷! 2色目印刷後 どうでしょう!ほぼズレることなく、きれいに重なりました。 3色以上刷る場合も、同じ工程で刷ってくださいね。 まとめ いかがでしたか?手作業なので寸分の狂いなく…とまではいきませんが、目視だけよりも正確に簡単に位置合わせができます。 ただし、たとえば厚手のトレーナーに刷る場合だとクリアファイルが浮いてしまって位置が固定できないですし、大きいものだとクリアファイルが届きません。 ですので、冒頭でも記述のとおり、この方法は ・薄手のもの ・クリアファイル幅に収まる大きさのもの ・版を固定できる作業環境 のときに効果を発揮します! 厚手のものに刷りたい、版を固定できない…といった場合には、ぜひトンボ編の記事を参考にしてくださいね。 多色刷りをマスターすればデザインの幅もグンっと広がりますよ。 みなさんもぜひ、試してみてくださいね。 ▶〈クリアファイルを使った位置合わせ〉方法はYouTubeで動画編も公開中!
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シルクスクリーンによる挿絵 草間彌生×不思議の国のアリス
以前の記事でシルクスクリーンのアーティストとして紹介した草間彌生さん。今回はその草間彌生がアートワークを手掛けた本、「不思議の国のアリス」の紹介です。思わずジャケ買いして飾っておきたくなる程ステキな本の挿画は、シルクスクリーンで作られたもの。今話題の展示会「特別展アリス― へんてこりん、へんてこりんな世界 ―」でも展示されている本です。 ▼ 以前の記事はこちら https://www.hando-horizon.com/labo/5391 シルクスクリーンのアート作品 有名作家の紹介も ● 草間彌生 とは 草間彌生の作品 (https://www.hando-horizon.com/labo/5391) 前衛芸術家・小説家。アートにあまり詳しくない人でもドット(水玉模様)のカボチャはどこかで目にしたことがあると思います。 1950年代に渡米しネット・ペインティング、突然パフォーマンスを始めるハプニングや体験型インスタレーション等を行い「前衛の女王」と呼ばれました。2016年には文化勲章を受章。1929年生まれの草間氏は、現在も現役の日本を代表するアーティストです。 ● 草間 彌生 作品の特徴 幼いころから幻聴や幻覚に悩まされ、その世界観を描いていました。ドットや網目をはじめ同じモチーフを反復しているのが特徴的です。 ● 世界中で愛されている児童文学、不思議の国のアリス 「子供のときに読んだことがあるけど、どんな話だったか思い出せない」という人も多いのではないでしょうか?少女・アリスは時計を持ったウサギの後を追いかけて、不思議な世界へ。個性豊かなキャラクターたちと出会いながら冒険するファンタジーです。 ● 「不思議の国のアリス」原作は? 引用:https://alice.exhibit.jp/works/ アリス展 マッド・ハッターのお茶会でのアリス、『不思議の国のアリス』初刊行版本より、ジョン・テニエル画、1866年、V&A内ナショナル・アート図書館所蔵 © Victoria and Albert Museum, London ● 作者 ルイス・キャロル 本名チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン。イギリス・オックスフォード大学の数学教授。 「不思議の国のアリス」の物語が生まれたきっかけは、彼の知人の子供たちと遊んでいるときに即興で話したことでした。 1865年に『不思議の国のアリス』(原題: Alice’s Adventures in Wonderland)初版刊行。続編は1871年に『鏡の国のアリス』(原題:Through the Looking-Glass, and What Alice Found There)を発表しています。 ● 挿絵 ジョン・テニエル 当時イギリスで風刺画家として人気の絵師。「不思議の国のアリス」刊行にあたり作者のドジソンとレイアウトやイラストを綿密に計算し、現在でも愛されるアリスの世界観を作り上げています。当時の挿絵は木版画で作成されました。 ● 草間彌生 in ワンダーランド 『不思議の国のアリス With artwork by 草間彌生』(ルイス・キャロル 著、楠本君恵:訳/グラフィック社)引用:MoMA Design Store(https://www.momastore.jp/shop/g/g9784766124545/) 草間彌生が挿絵を担当した『不思議の国のアリス With artwork by 草間彌生』(初版2013年 ルイス・キャロル 著、楠本君恵:訳/グラフィック社)も、アリスの世界をテーマにした素晴らしい作品の一つ。もともとはイギリスの現代美術館『テート・モダン』での草間氏の個展に併せて企画・出版されたものだそうです。 ● アリスの世界観と草間 彌生の作品がぴったり マッドハッターを思わせる帽子(シルクスクリーン作品)/『不思議の国のアリス With artwork by 草間彌生』(ルイス・キャロル 著、楠本君恵:訳/グラフィック社) ワンダーランドの主役は草間彌生。アリス、ウサギ、チェシャ猫、芋虫やハッドハッター等のキャラクターそのものは描かれていません。それでもポップでカラフル、そしてサイケデリックな挿画は本文の幻想的なイメージとぴったり。 挿画はほとんどがシルクスクリーンで制作されたものだそう。色使いや反復するモチーフなど、草間彌生の作品をたっぷり堪能することができます。 声に出して読みたいタイポグラフィ/『不思議の国のアリス With artwork by 草間彌生』(初版2013年 ルイス・キャロル 著、楠本君恵:訳/グラフィック社) 本文は原作に沿った現代日本語訳です(原作冒頭の詩は省略)。遊び心のあるタイポグラフィもこの本の見どころ。内容に沿って文字が大きくなったり小さくなったりと変化するのが面白く、読み進めていくうちにどんどん不思議の国の世界へ引き込まれていきます。 本の装丁もステキです。このまま部屋に飾れます。(撮影:筆者) ● 大人も楽しめる絵本 大人になってから読む「不思議の国のアリス」は時代背景と風刺が理解できたり、キャラクターの噛み合わない会話を楽しんだりと、子供時代とはまた違ったおもしろさがあります。 豪華な挿絵もあるこちらの本は、草間彌生の絵が欲しいと思っている方にもおすすめ。プレゼントにしてもおしゃれですね。 ● 「不思議の国のアリス」の魅力とクリエイター 動くチェシャ猫のインスタレーション(撮影:筆者)特別展アリス― へんてこりん、へんてこりんな世界 ―/森アーツセンターギャラリー(https://alice.exhibit.jp/about/) アリスが冒険するのはだれも行ったことのない不思議の国。インパクトの強いキャラクターが織りなす非現実的な物語は、様々なクリエーターにインスピレーションを与えます。 イラストや映画、舞台、ファッション等「不思議の国のアリス」がテーマとなっている作品も多く作られてきました。この記事で紹介している草間彌生の本も展示されていますよ。 ● 「不思議の国のアリス」展示会も大人気 今話題の『特別展アリス― へんてこりん、へんてこりんな世界 ―』では「不思議の国のアリス」が生まれた時代背景や様々なジャンルのアリス約300点もの作品に触れることができます。没入型の展示&演出もあり、自分も不思議の国に迷い込んだようなワクワク感があります。 東京(2022年7月16日〜10月10日)―大阪(2022年12月10日〜2023年3月5日)と順に開催しているので、のぞいてみてはいかがでしょうか。 ケース内の右 草間彌生の本が展示されています(撮影 筆者)特別展アリス― へんてこりん、へんてこりんな世界 ―/森アーツセンターギャラリー ● 「不思議の国のアリス」で創作意欲が湧いてきたら、シルクスクリーンを体験してみよう! 数々のクリエーターと同じように「不思議の国のアリス」からインスピレーションを得たら、ぜひオリジナル作品をつくってみませんか? ▼ シルクスクリーンの作り方に関する過去記事はこちらもおすすめ。 https://www.hando-horizon.com/labo/4506 シルクスクリーンとは?やり方や必要なもの、印刷手順や体験できる場所を紹介 https://www.hando-horizon.com/labo/4600 東京・吉祥寺でシルクスクリーン体験~手ぶらでできる体験コース&ワークショップ~ 「草間彌生のように、私も本が作りたい」という方に朗報です! 手作りで本を作れるオープンアトリエ型ワークショップART BOOK TRIAL 2022を開催中。詳細は下記のリンクよりご確認ください。 >> https://www.hando-horizon.com/info/6330/ 【参考サイト】 特別展アリス― へんてこりん、へんてこりんな世界 ― https://alice.exhibit.jp/about/ 草間彌生 美術館 https://yayoikusamamuseum.jp/