おしゃれな年賀状を新提案!シルク印刷で布の年賀状を自作♪

年賀状って必要? 年明けには学校や職場で会うのに送り合う必要ある? 上司に失礼な年賀状は送れないから書き方にすごく気を遣う……
など、みなさんそれぞれに思うところがあるようで、最近では「年賀状じまい」なんて言葉もあります。正直はがきをもらっても扱いに困ることがあり、ほっとしているという方も少なくないのでは?
とはいえ、せっかくの年賀です。仲がいい人には何か贈りたいという気持ちもありますよね。そんな方におすすめなのが、実用できる「布の年賀状」です。
シルク印刷でつくろう! オリジナルお年賀

みなさん、シルク印刷(シルクスクリーン印刷)って聞いたことはありますか?スクリーンとよばれる版にインクをつける印刷方法です。版はくり返し使えるので、同じデザインで、ハンカチ、靴下、Tシャツなど、様々なグッズも制作できます。シルクというお上品な名前がついていますが、版の素材は現在では、ポリエステルやナイロンなどでできており、繊細な素材独特の扱いづらさなどはありませんのでご安心ください。
このシルク印刷を使って、オリジナルのお年賀グッズを作ってお友達にプレゼントしよう!というのが今回のお話です。
シルク印刷が初めての方にはキットが便利

シルク印刷って楽しそうと思ったけれど、何からそろえたらいいのかわからないという方におすすめしたいのが、オールインワンですぐに印刷できる「ロゴスル」です。
ロゴスルには、シルク印刷に必要な
1. スモールフレーム(製版済みスクリーン付き)
2. スプレーのり80ml
3. スキージ14cm
4. ヘラ小
5. 特別インク50g
6. プリント台紙
の全てが含まれていて、注文する時に印刷したいデザインを送ると、製版されたスクリーンと一緒にセットが届くので、届いたその日にすぐ、印刷できます。インクは、くろ・しろ・あか・あお・ねおんぴんく・ねおんいえろー・ねおんぱーぷる・ねおんぐりーんの8色から好きな色を選べます。どの色もとてもきれいなのでぜひチェックしてみて。
セットに含まれる版は1つですが、120mm×120mmのサイズ内であれば1つの版にデザイン数の制限はありません。印刷する時に、印刷したいもの以外にマスキングテープを付けて、1つのデザインだけを印刷。という方法ができるので、表情ちがいのウサギを制作することもできますよ。
また、版のおかわりも可能!一度ロゴスルをセットで購入したあとに、違う図柄の版を追加注文して、全く違うイラストや、再来年の干支タツのオリジナルグッズ制作もできちゃいます。
ロゴスル/4950円(税込)
※「ロゴスル」「ペーパーロゴスル」はリニューアルに伴い販売終了となりました。
>>後継品はこちら
製版からやってみたい方にはTシャツくんがおすすめ

せっかくだから原稿つくりや製版からやってみたい!大きめの印刷もしてみたい!という方には「Tシャツくん」がおすすめ。
ご安心ください、名前はTシャツくんですが、夏限定ではありません。Tシャツに限らず、パーカーやスウェットなんかにも印刷ができます!(素材が分厚いときれいに印刷するのが少し難しくなるのでまずは薄い素材から練習してから、分厚い素材にトライしてください〜!)
Tシャツくんは、製版機を含んだキットで、ロゴスルより大きめサイズの印刷が可能。大きめサイズもつくりたい方や、いろいろなデザインを楽しみたいという方におすすめです。
手軽でおすすめ。実用的なお年賀ハンカチ

みなさん、ハンカチは持ち歩いていますか? 例の感染症が流行ってから、トイレのジェットタオルの使用が禁止になってしまい、ハンカチが必要な機会がぐっと増えましたよね。ハンカチを年賀状の代わりに贈ってみるのはいかがでしょう。ハンカチはお値段も抑えられますし、もらった方も恐縮せずに済む、ちょっとしたプレゼントの代表格です。
せっかくの年賀なので、オリジナルのハンカチをつくってプレゼントするのもおすすめです。お年賀ハンカチと紹介しましたが「あけましておめでとう」なんて書く必要はありません。例えば白いハンカチに、小さなイラストで来年の干支を四隅に入れるだけで立派なお年賀になります。
ハンカチ以外も。使える布年賀
ちょっとしたプレゼントといえばやはりハンカチが思い浮かびますが、それ以外にもおすすめの使える布年賀がいろいろあります。手作り用に販売されている無地の布素材をご紹介していきます。ネットで探してみると様々なメーカーさんがシルクプリント用の無地の製品を販売していますので、ぜひ探してみてください。
なにかと便利な小さめポーチ

こまごましたものをまとめたいときに、小さめポーチや巾着があったらいいなと思うことありますよね。バッグに直接は入れたくないけれど、かさばるポーチは嫌だしバッグに入らない。
そんなときに役立つ小さめポーチや巾着にウサギのデザインをつけてプレゼントするなんてどうでしょう?
渡すときにお菓子を入れて渡したら、もらってうれしく食べて美味しくさらに長く使えるプレゼントの完成です。バッグの中に入れて使うインナーバックとして使えるサイズであれば、長く使ってもらえる可能性が高いです。
これもちょっとしたプレゼントの定番? 靴下

ワンポイントのデザインがさまになりやすく初心者にもおすすめなのが、靴下。きっちりとしたデザインも、愛嬌のあるデザインもなじみやすくおしゃれに見えるので、手作り初挑戦の方でもそれなりのできあがりになること間違いなし。コーディネートによってはワンポイントを見せることもできますし、裾の下でこっそりと楽しむこともできます。非常に使いやすい実用的なプレゼントのひとつです。
大きめのデザインを楽しむなら、トートバッグやトレーナー

年賀状のイメージからだいぶ離れてきていますが、自由な発想で楽しみましょう!
せっかくだから大きなウサギのオリジナルグッズをつくりたいという方には、トートバッグやトレーナー、Tシャツなどもオススメです(Tシャツと聞くとちょっと寒そうですがロンTという手もあります)。仲のいいご友人と大胆におそろいを楽しむのもいいですよね!
超手軽に布年賀をつくるなら、T-ペン
ロゴスルも簡単そうだし楽しそう。でも踏み出すにはちょっと勇気がいるよねって方には、もっともっと手軽にオリジナル布グッズをつくれるT-ペン(布用ペン)がおすすめです。名前のとおり、布にかけるペンです。ペンならとても簡単そうですよね。実際、紙に描くペンと使い方に大して違いはありません。インクを定着させるためにドライヤーで乾燥させアイロンをあてる必要はありますが、そこまで行ったらなんと洗濯も可能です。
種類やカラーもいろいろあるので、ぜひチェックしてみて。お子さまといっしょに色を選ぶのも楽しいですよ。ペンなのでお子さまでもお絵描きしやすいです。じいじやばあばに手作りの布年賀を贈ったら喜ぶこと間違いないでしょう。
2023年の干支はウサギ!
来年の干支はウサギです。世にウサギグッズがあふれると思うと楽しみです!(あふれるは言い過ぎですかね)
ちなみに干支グッズって風水的にもいいそうで、運気アップに繋がるとのこと。たまに見かける干支の置物ってそういう意味があったんですね。
ウサギグッズはかわいいですし、運気もアップできて一石二鳥です! せっかくだからウサギグッズの手作りお年賀なんてどうでしょう。自分の分と、ご友人の分を用意して、ラッキーのおすそ分け。みんなでラッキーな一年を過ごしましょう!
まとめ
年賀状をはがきで送らないといけないと思うと腰が重くなりがちですが、仲のいい人にお年賀を贈ると思うと、ワクワクしてきますよね。また、新しいことに挑戦してみるというのも新年にぴったりです。ぜひいろいろな年賀状にチャレンジしてみてください。
今回ご紹介した布年賀はあくまで年賀状の新しい形の一例です。年賀状って書くのはめんどくさいけど、長年受け継がれてきた日本の文化。受け取ったときはなんとなく嬉しいものです。あまり難しく考えず、ひとりひとりの好きなスタイルで年賀という文化を受け継ぎつつ、楽しみましょう!
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シルクスクリーンで写真を刷ろう!①【網点とは?データの作り方は】
シルクスクリーンで写真をプリントすると面白い!というのをご存じですか??いつもの写真もこんなふうに! 元の写真 「こん」でプリント! インクの色を変えるだけでイメージもがらり! 「さくら」でプリント 「みどり」でプリント 写真をシルクスクリーンプリントするためには、シルクスクリーン用のデータに作り変える必要があります。 写真をモノクロコピーするだけじゃダメなの?と疑問に思う方もいるかもしれませんが、シルクスクリーンの原稿は真っ黒が原則!グレーなどの中間色は製版できません。 モノクロコピーした原稿 グレー部分はスクリーンが抜けませんでした シルクスクリーンでは、写真データを【網点処理】をすることでグラデーションを表現します◎ というわけで今回は写真をシルクスクリーンでプリントするための ・写真データの作り方 ・オススメの線数 などについて、詳しく解説していきます! ◎目次① データの作成 1.Photoshopで写真を開く 2.サイズと解像度を設定 3.グレースケール化 4.モノクロ2階調→網点設定 └「線数」とは └「角度」とは └「網点形状」とは 5.データ完成!② プリント③ フルカラープリントもできる?④ まとめ ① データの作成 1.Photoshopで写真を開く まずは、プリントしたい写真をPhotoshopで開きます。 東京タワーの写真をPhotoshopで開きました 2.サイズと解像度を設定 次に、「サイズと解像度」を設定します。メニューバー〈イメージ〉→〈画像解像度〉を選択 画像解像度の設定 以下のダイアログボックスが表示されたら、プリントサイズを設定します。 ・幅、高さを入力(左の鎖マークを繋げた状態で設定)・解像度は「300」と入力(単位は「pixel/inch」) ダイアログボックスで数値を指定 3.グレースケール化 次に、写真をグレースケールの状態に変更します。グレースケールとは、白と黒の中間色であるグレーの濃淡を254階調(グラデーション)で表現すること。 メニューバー〈イメージ〉→〈モード〉→〈グレースケール〉を選択 グレースケール化 「カラー情報を破棄しますか?」というメッセージが表示されたら、〈破棄〉を選択してください。 〈破棄〉を選択 4.モノクロ2階調→網点設定 グレースケール化したデータをモノクロデータにします。 シルクスクリーンではグレーをそのまま表現することはできないので、代わりに「網点」で階調を表現します。(網点については次の章!)網点を設定するために、グレースケール化した写真から一旦階調を取り去ります。 メニューバー〈イメージ〉→〈モード〉→〈モノクロ2階調〉を選択 モノクロ2階調 モノクロ2階調を選択すると、2つのダイアログボックスが出てきます。 ひとつ目の「モノクロ2階調」の設定では・解像度の出力:300pixel/inch・種類:ハーフトーンスクリーンと入力し、OKをクリック。 モノクロ2階調設定 ふたつ目の「ハーフトーンスクリーン」のダイアログボックスでは、網点の設定をします。(重要!) 網点(ハーフトーン)とは、印刷物の濃淡を表現するための小さな点のこと。網点の密度や大きさでグラデーションを作り、1色印刷でも豊かな表現を刷ることができます。 網点のオススメ設定は・線数 :15線・角度 :45度・網点形状 :円です。 オススメの設定 線数とは? 線数10、15、30、40の比較 ※角度:45度 網点形状:円 サイズ:150×100mm 線数とは、網点の密度のこと。すなわち、印刷の細かさ。線数が大きいほど精密な表現になり、小さいほどドットが粗くなります。 ちなみにTシャツくんでは、線数が大きい(=ドットが細かい)ほど製版の難易度がアップします。この後の〈②プリント〉の章でお話しますが、Tシャツくんで製版する場合、オススメは10~15線です。 角度とは? 45度、25度、90度の比較※線数:10 網点形状:円 サイズ:150×100mm 角度とは、網点が並ぶ方向。フルカラーでプリントする場合には重要な設定になりますが今回のように1色印刷であれば、お好みの設定で構いません。 網点形状とは? 網点形状の比較※線数:10 角度:45 サイズ:150×100m 網点形状とは、その名のとおり網点の形。「点」と言いながら、ラインや円、クロスなど様々な種類を選べます。こちらもお好みで設定してみてくださいね! 5.データ完成! 網点の設定を完了すれば、データが完成です。ここからはいつも通り、専用用紙に出力してから製版をしていきましょう! ② プリント さて、いよいよ製版とプリントです!線数10、15、30の3パターンでプリントしたものがこちら。 10線でプリント(左:全体 右:拡大)※角度:45度 網点形状:円 サイズ:150×100mm 15線でプリント(左:全体 右:拡大)※角度:45度 網点形状:円 サイズ:150×100mm 30線でプリント(左:全体 右:拡大)※角度:45度 網点形状:円 サイズ:150×100mm 【10線~15線】 レトロでアートな雰囲気に。シルクスクリーンならではの味があります◎製版も印刷も比較的簡単で、シルクスクリーンに慣れていない方でも挑戦しやすいですよ。ただし、10線はドットの存在感が大きいので写真によっては被写体がわかりづらくなるかもしれません。 【30線】 きめが細かく、実際の写真に近い見え方になりました。ただし、Tシャツくんでのアナログ製版ですとサイズによっては骨が折れる作業かも…。 30線で写真に忠実にプリントしたい!という方は、デジタルによる製版が可能な製版サービスのご利用も合わせてご検討くださいね!※製版サービスの場合でも目詰まりは注意です https://www.hando-horizon.com/fukugyo/logosuru/ デザインの細かさと製版・プリントの関係性についてはこちらの記事でも解説しています。 https://www.hando-horizon.com/labo/11282 https://www.hando-horizon.com/labo/11370 ③ フルカラープリントもできる? ズバリ、できます!データの作成方法やプリント工程が多くなり少々手はかかりますがフルカラーも面白いですよ♪フルカラープリントのやり方は、こちらの記事で解説していますので是非ご覧ください! ▶シルクスクリーンで写真を刷ろう!②【フルカラープリント編】 ④ まとめ いかがでしたでしょうか?いつもの写真ががらりと印象が変わり、おもしろいですよね! 網点の設定の仕方でも仕上がりの印象が違うので是非いろいろなパターンで試してみてくださいね。 HANDoでは、シルクスクリーンを通してものつくりやみなさまの新しい一歩のサポートをしています。 シルクスクリーンのワークショップを運営してみたい!イベントでシルクスクリーンをやってみたい! など、シルクスクリーンにご興味をお持ちでしたら、ぜひ一度HANDoへご相談ください。 シルクスクリーンのお役立ち情報「ものつくりLABO」やイベントレポートも随時更新しています。 >「ものつくりLABO」記事一覧 > イベントレポート一覧 > お問い合わせフォーム
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シルクスクリーンで「木材」へのプリントに適したインクは?
今回は、お問い合わせの多い「木材」へのプリント実験レポートをお届けします! 木材へのプリントに適したインクはどれか、①表面加工が施された木材②加工無しの木材の2パターンで検証しました。 ちなみにシルクスクリーンのインクには「水性」と「油性」があります。HANDoでは水性インク7種類、油性インク3種類をラインナップしています。インクの詳細はこちらの記事でご紹介していますのでぜひチェックしてみてくださいね。 https://www.hando-horizon.com/labo/7501 それでは実験レポート、いってみましょう! 目次・〈実験1〉木材に刷る!・〈実験2〉表面加工された木材に刷る!・今回使用したインクと、インク周辺商品・まとめ ・〈実験1〉木材に刷る! 表面加工がされていない板材をえらびました! 少しざらざらとした手触り 百円ショップで購入したこちらの板材にプリントしてみます。 表面は何も塗装されておらず、少しザラつきのある手触り。 うまくプリントできるのでしょうか…! ◆使用インク:プレーンインク「くろ」vs油性インク「くろ」◆使用スクリーン:120メッシュ◆検証:印刷翌日の耐久チェック(①引っ掻きテスト②水濡れ&擦りテスト) 今回の木材はミドルサイズのフレームよりも小さく不安定だったので、しっかりと手で押さえて刷りました。 ズレないように片手で押さえて刷ります! 刷りあがり直後~乾燥 刷りあがりはこのようになりました! プレーンインク 油性インク ・プレーンインク:すぐに木材に染みこみ、10分程度で触っても指に付かないくらいに乾きました。仕上げはドライヤーで乾燥をします。 ・油性インク:刷った直後からかなりツヤのある仕上がりに。すぐには乾かないので、触ったら指にインクが付着してしまいそう。油性インクの仕上げは、ドライヤー乾燥では硬化しないため、24時間自然乾燥をさせます。 印刷翌日の耐久テスト そして、翌日の状態がこちら。 プレーンインク印刷翌日 油性インク印刷翌日 ・プレーンインク:木に馴染んでマットな風合いで、サラッとした触り心地です。 ・油性インク:翌日もツヤツヤとした光沢が残り、触り心地はニス塗装が施されたような、ツルっとした表面。 それでは、ドキドキしながらコインを使って引っ掻いてみます!!女性スタッフが強めの力で10往復ほど、引っ掻きました。 木材の表面自体が削れた影響でインクも少し剥がれてしまいました。 油性インクも同様に少し剥がれました。 いずれも多少色が薄くなりましたが、インクが剥げたというより木材の表面自体が削れて、インクごともっていかれたような感じです。インク自体はいずれもしっかり定着している印象。 さらに、水に濡らして擦ってみるとどうでしょうか? プレーンインク 油性インク 水に濡らした時点ではいずれも全く変化はありませんでした。しかし、スポンジで擦るとプレーンの方が微かに薄くなりました。ただ、引っ掻きテストと同様に、木材の表面自体がカスレてインクがもっていかれたような感じになりました。 木材プリントまとめ ・プレーンインク、油性インク、いずれも定着は◎・耐久性は大きな差はないが、木材の表面自体が剥げやすく、インクも一緒に剥げてしまう。・耐水性はいずれのインクもある程度見込めるが、擦るとプレーンの方がやや薄くなるかも?・インクによって仕上がりの風合いが異なる!プレーンインクはマットに、油性インク光沢のある仕上がりに。 〈実験2〉表面加工された木材に刷る! ラッカー塗装が施されたまな板 ツヤツヤとした表面 続いて、ラッカー塗装が施されている木材にプリントします。 ※ラッカー塗装とは耐水性や表面の傷を防ぐ効果のある仕上げ塗装の方法です。 今回の実験ではこちらのまな板を使ってみました。表面はトゲもなく滑らかな触り心地です。 ◆使用インク: プレーンインク「くろ」 リッチインク「くろ」 油性インク「くろ」 撥水インク「くろ」◆使用スクリーン:120メッシュ◆検証:印刷翌日の耐久テスト(①引っ掻きテスト②水濡れ&擦りテスト) 刷りあがり直後~乾燥 刷った直後の状態がこちら。 プレーンインク:部分的にインクを弾きました 油性インク リッチインク 撥水インク ・プレーンインク:部分的にインクを弾くような刷り上がりになりました。特に線のデザイン部分(赤の点線)の弾きが目立ってしまう結果に。 ・リッチ・油性・撥水インク:かなり綺麗にインクが乗りました。触らないように気を付けて、このまま乾燥させます。 プレーン、リッチ、撥水インクはドライヤー乾燥、油性インクは自然乾燥で翌日のテストに挑みます! 〈補足〉ラッカー加工は表面がツルツルとしていて、スキージが滑りやすいため、印刷の際は滑らないようにしっかり押さえる、丁寧に刷る、など注意が必要そうです。最初に実験したプレーンインクは刷りはじめの部分がずれてしまいました…! 印刷翌日の耐久テスト まずは10円玉で引っ掻きテスト。10往復程、女性スタッフが強めの力加減で引っ掻き、結果はこのようになりました。 プレーンインク 油性インク リッチインク 撥水インク ・プレーンインク:しつこく強く擦ると明らかに色が薄くなりました。ただ、思いのほか剝がれにくい! ・油性インク:なんということでしょう。コインで削ると、2往復目くらいからすぐ剥がれてしまいました。昨日の時点では油性がよさそう!と思っていたのに…。 ・リッチインク:こちらもしつこく擦ると、インクが剥がれてきました。 ・撥水インク:強く擦ってもまったく変化なし!いい感じです。 続いて耐水チェックです。 水に濡らしてから、波線を中心に食器洗い用のスポンジで10往復ほど擦ってみました。水で濡らした時点ではいずれも変化は無かったのですが、スポンジで擦ると以下の通り差がありました。 プレーンインク 油性インク リッチインク 撥水インク ・プレーンインク:インクが溶けてきて、全体的に薄くなりました。細い波線の部分はさらに擦ると消えてしまうかも。 ・リッチインク:プレーンよりは薄くならないものの、やはりこちらもくり返し擦るともっと薄くなりそう。 ・油性インク:しつこく擦るとインクが剥がれて、エッジがボロボロになってきました。 ・撥水インク:まったく変化なし!撥水強いです!! 表面加工木材プリントまとめ ・そもそもプリント時に滑る。プリントのズレに注意。・プリント自体はいずれのインクも可能〇。ただしプレーンインクは少しインクを弾く。 ・耐久性、耐水性ともに、撥水インクがベスト! 今回使用したインクとインク周辺商品 それぞれの商品の使用上の注意や使い方については、リンク先の商品ページをご覧ください。 ・プレーンインク くろ商品を見る ・リッチインク くろ商品を見る ・油性インク くろ商品を見る ・撥水インク くろ商品を見る ・撥水インク 硬化剤⇒ 撥水インクを使用の際は、必ずこちらの硬化剤をインク量の1%を混ぜて使用します。硬化剤を入れないとインクが固まらないのでご注意!⇒ 硬化剤を入れたインクは5時間ほどで使えなくなってしまうので必要な分を別容器に取り分けて使ってくださいね。商品を見る ・Tシャツくん ふきとり&うすめ液⇒ 油性インクが付着したスキージやヘラの掃除に使用。油性インクご使用の際はセットでの購入を推奨しています!商品を見る まとめ 塗装されていない木材であれば、水性のプレーンインクでもしっかり定着することがわかりました◎ラッカー塗装が施された木材に関しては、撥水インクでのプリントなら耐久性も問題なさそうです!その他のインクも、耐久性・耐水性は劣りますがプリント自体は可能という結果でした。用途やご使用する環境に応じてお選びくださいね。
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スーパーのレジ袋にシルクスクリーン印刷ってできる?-ポリ袋への印刷に挑戦!‐
ビニール袋にシルクスクリーン印刷 スーパーやコンビニなど多くの場所で使われるレジ袋(ポリ袋)ですが、これにシルクスクリーン印刷ってできるの?という疑問を解決すべく、今回も実験してみました!Tシャツくんのインクでポリ袋に印刷できたっけ…と思った方、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。 そもそもレジ袋って何の素材? 一般的にはポリエチレンやポリプロピレンで作られていることが多いそう。そこからさらに低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンに分けられて…と調べてみるとなかなか専門的な話になっていってしまったので、今回はより一般的にレジ袋に使われているという高密度ポリエチレンにプリントしていきたいと思います! 使用するTシャツくんインクは5種類 ①水性シルクスクリーンインク リッチ Tシャツくん 水性シルクスクリーンインク「リッチ」くろ まず一つ目のエントリーはスタンダードなインクのひとつ「リッチ」。綿や綿ポリ素材、紙などに印刷できるインクで、濃色素材にも発色しやすいのが特徴のインクです。なんとなく剥がれてしまいそうな気がしますがどうなるか… ②水性シルクスクリーンインク ウレタン Tシャツくん 水性シルクスクリーンインク「ウレタン」くろ 2つ目に使用するインクはポリエステル生地にプリントできる「ウレタン」。ポリエステル100%のドライTシャツなどによく使われるインクで、伸縮性があるので生地と一緒に伸びやすいのが特徴です。リッチよりは定着してほしい…! ③水性シルクスクリーンインク「撥水」 Tシャツくん 水性シルクスクリーンインク「撥水」くろ 3つ目のインクは水性でありながら撥水加工生地にプリントできる「撥水」インク。撥水加工がされているジャンパーなどに印刷できるのが特徴です。今までは撥水生地には油性のナイロンインクのみでしたが、環境に優しく臭いも少ないこのインクはかなりおすすめです。話がそれましたが…なんとなくポリエチレンにもそこそこ定着するのでは?という期待がもてます。 ④油性ナイロンインク Tシャツくん 油性ナイロンインク くろ 4つ目からは油性インクになります。油性ナイロンインクは撥水加工生地や合皮などにプリントできるインクです。ただ、臭いがかなりキツイので必ず換気をしながら使用してくださいね。(長時間の使用は避けた方がおすすめです…)また、油性なので使用したスキージやヘラ、版のお掃除はナイロンインク専用溶液で行います。水洗いは禁止。 ⑤油性インク Tシャツくん 油性インク くろ 5つ目は通常の油性インク。金属やプラスチックなどのかたいものに印刷するのに向いているインクです。こちらも油性なのでお手入れやお掃除にはふきとり&うすめ液という専用の溶剤を使用してくださいね。 実際にレジ袋に印刷してみた結果は? Tシャツくんシルクスクリーンインクでレジ袋に印刷 なぜ3つしか撮っていないのか…それは単純に撮り忘れたからです…お許しください…とはいえ印刷はどれもうまくいきました!⑤の油性インクのみちょっとツヤっぽくテカテカした仕上がりになりましたが、ほかのインクは印をつけておかないとどれがどれか分からなくなるほど。アップで見てみると… Tシャツくんシルクスクリーンインクでレジ袋に印刷 30分ほど乾かしてみた感じですが、ほとんどこのような質感、仕上がりになりました。特にガリガリと引っ掻いたりしなければこのままでも問題なく使えそうですが、実際に使用するにあたってはやっぱり多少の扱いには耐えてほしいところ。ということで、ここから約24時間ほど完全に乾燥させてから触ってみたいと思います。 ①水性シルクスクリーンインク リッチ Tシャツくん水性シルクスクリーンインク「リッチ」でレジ袋に印刷 こちらは引っ掻くと剥がれてしまいました。やはり水性インクで定着は難しいのか… ②水性シルクスクリーンインク ウレタン Tシャツくん水性シルクスクリーンインク「ウレタン」でレジ袋に印刷 ウレタンインクも定着せず…ただ、リッチとは異なり、ぺろんとシールのように綺麗に剥がれていきました。この特性、何かに活かせるかもしれない…?(それゆえかAをまるっと剥がして持ち去った某スタッフも) ③水性シルクスクリーンインク 撥水 Tシャツくん水性シルクスクリーンインク「撥水」でレジ袋に印刷 水性にしては頑張ってくれているのではないでしょうか…!とはいえずっとガリガリ引っ掻いていると剥がれてしまう感じはあるので、完全な定着とは言えないですね… ④油性ナイロンインク Tシャツくん油性ナイロンインクでレジ袋に印刷 これはなかなか良いのではないでしょうか!剥がそうという意思をもってガリガリするとやはりポロポロと取れてきてしまいますが、さすが油性というだけあってかなり頑張ってくれています。(ただ本当に臭いがキツイので取り扱いには十分注意してくださいね) ⑤油性インク Tシャツくん油性インクでレジ袋に印刷 なんと…こちらの油性インクは全く歯が立たず…やはり通常の用途が金属などの「かたいもの」に定着するインクなのでやわらかいものに印刷するとパキパキと割れてしまいました。 結局Tシャツくんインクでポリエチレンのレジ袋に印刷ってできるの? 基本的にやっぱり完全な定着はしない!という結果に。その中でも一番可能性があるインクは油性ナイロンインクでした。また、よく調べてみると「ポリエチレン」や「シリコン」などに完全定着するシルクスクリーンインクは業務用の特殊なインクのみ、とのこと。レジ袋はとっても身近なものですが、日常的に扱えるインクでの印刷は難しいようです。 用途によっては水性インクでも◎ たとえば、ポリエチレン素材のものにプリントして作品として飾っておく、など実用的に扱うものでない場合はスタンダードな水性シルクスクリーンインク「リッチ」でも印刷ができそうです。紙ではない素材にプリントしたい、飾って楽しみたい、という場合はぜひ挑戦してみてくださいね。 まとめ ・ポリエチレン素材のレジ袋に完全に定着させるインクは業務用の特殊なインクだけ・Tシャツくんインクで完全に定着させることは難しい・飾って楽しむなど用途によっては水性インクでも印刷できるポリエチレン素材ってTシャツくんインクで印刷できたっけ?と思ったときは、ぜひこの記事を思い出してくださいね。