シルクスクリーンで写真を刷ろう!②【フルカラープリント編】
ひとつ前の記事では、写真をシルクスクリーンプリントするための
【データの作り方】や【網点】について解説しました。(記事はこちら)
実は、少し難易度が上がりますが、1色印刷だけではなくフルカラーでプリントすることもできます。
こちらは実際にフルカラーで刷ったもの。

シルクスクリーンで写真をフルカラープリントするには、
写真データを【4色分解】&【網点処理】をして版を作り、4つの版を重ね刷りしていきます。
1色印刷よりも工程が多いですがインクが重なっていく工程はワクワクしますよ!
ということで今回は、写真をフルカラープリントする方法についてご紹介していきます!
◎目次
① 4色分解とは?
② データの作成
1.Photoshopで写真を開く
2.CMYKに変換
3.サイズと解像度を設定
4.チャンネルを分割
5.モノクロ2階調→網点設定
└「角度」が大事!
6.トンボを付ける
③ プリント
└ インク選び
└ 刷り順
└ 位置合わせのコツ
④ まとめ
① 4色分解とは?
4色分解とは、画像データを
C(シアン)
M(マゼンダ)
Y(イエロー)
K(ブラック)
の4つの情報に分解すること。
分解した4つのデータを個別に製版し、色を重ねて印刷することで多様な色彩を表現します。
② データの作成
1.Photoshopで写真を開く
まずは、プリントしたい写真をPhotoshopで読み込みます。

2.CMYKに変換
次に、カラーモードをCMYKに変換します。
メニューバー〈イメージ〉→〈モード〉→〈CMYK〉を選択

3.サイズと解像度を設定
「サイズと解像度」を設定します。
メニューバー〈イメージ〉→〈画像解像度〉を選択

以下のダイアログボックスが表示されたら、サイズと解像度を設定します。
・幅、高さを入力(左の鎖マークが繋がっているか注意!)
・解像度は「300」と入力(単位はpixel/inch)

4.チャンネルを分割
データをチャンネル分割します。
「チャンネル」とは、画像を構成するカラー情報(今回はCMYKの4つ)をそれぞれグレースケールで表したもの。
メニューバー〈ウィンドウ〉→〈チャネル〉を選択し、チャンネルのウィンドウを開きます。

チャンネルウィンドウが開いたら、右上に表示されているハンバーガーメニューにカーソルを合わせ、表示されたリストから
〈チャンネルを分割〉を選択します。

CMYKそれぞれの画像データが新規ファイルとして開かれたら、OK!

5.モノクロ2階調→網点設定
4色分のデータに、それぞれ網点処理をしていきます。
メニューバー〈イメージ〉→〈モード〉→〈モノクロ2階調〉を選択

モノクロ2階調を選択すると、2つのダイアログボックスが出てきます。
「モノクロ2階調」のダイアログボックスでは
・解像度の出力:300pixel/inch
・種類:ハーフトーンスクリーン
と入力し、OKをクリック。

ふたつ目に表示される「ハーフトーンスクリーン」のダイアログボックスでは
線数・角度・網点形状を設定します。
それぞれの役割や意味については、「シルクスクリーンで写真を刷ろう!①」の記事内で詳しく解説していますのでそちらをご覧くださいね。
入力数値は
・線数 :お好みでOK
※Tシャツくん製版の場合、オススメは10~15線
・角度 :C→15 M→75 Y→35 K→45
・網点形状:お好みでOK(オススメは円)

角度が大事!
「角度」とは、網点(ドット)が並ぶ方向のこと。
フルカラー印刷においては、
C→15度 M→75度 Y→35度 K→45度
と角度をズラして設定するのが一般的です。
理由は、「モアレ」防止。
全ての角度が同じ、または近い数値だと「モアレ」と呼ばれる予期せぬ縞模様が現れることがあります。そのため角度を不揃いにすることがポイントになります。
6.トンボを付ける
スムーズな位置合わせのために付けておきたいのが、トンボ(目印)!
4つのデータに同じ目印を付けて製版するとプリントの位置合わせがとっても簡単になります。
今回はillustratorに画像を取り込んでから、上の角2か所にトンボを付けました!

目印になればトンボ以外の形でも大丈夫。
ここまで出来たら製版をしてプリントに進みましょう!
③ プリント
インク選び
C→青系、M→ピンク系、Y→黄系、K→黒系 になりますが、何色を選ぶか迷いますよね。
ということで、4パターンで刷ってみました!

※すべてプレーン

写真の色に近い雰囲気になりました!
写真に忠実にプリントしたい場合はこの組み合わせがオススメ◎

ねおんいえろ-/こん ※すべてプレーン

Y:ねおんいえろ- K:こん
トイカメラで撮ったような色味になりました!!個人的にはこの組み合わせが一番好みでした~!

ねおんいえろ-/ぐれー ※すべてプレーン

Y:ねおんいえろ- K:ぐれー
あわ~い、夢の中のような雰囲気。写真とは違う味わいになって面白いです。

ねおんいえろ-/ぶらうん ※すべてプレーン

Y:ねおんいえろ- K:ぶらうん
ガラッと色を変えて遊んでみました。このようにCMYKの色に縛られずに好きな色を組み合わせてみるのもOK!
ちなみに「みんと」「らべんだー」などのパステル系は重ね刷りしたときの隠ぺい力が高く、
最初に刷った「ねおんいえろー」はほとんど隠れてしまいました。
この場合は「ねおんいえろー」を最後に刷ってもよかったかもしれません。
▶プレーンインクの商品ページはこちら!
刷り順
淡い色から濃い色の順(Y→M→C→K)が基本の刷り順です。
理由は、重ね刷りをしたときに濃い色の方が下の色の影響を受けにくいから。
Y→M→C→Kの順(淡い順)でプリントしたものと、K→C→M→Yの順(濃い順)でプリントしたものを
比較してみましょう!


同じインクを使っていても全く色の出方が違いますよね。
左は写実的な色味になりましたが、右はちょっと幻想的。これもまた手刷りの味ですね!
位置合わせのコツ
目印(トンボなど)を入れて製版すれば、位置合わせはとっても簡単!
まずは、原寸で出力した原稿用紙を使ってプリント位置を決めます。
位置を決めたらマスキングテープなどで貼り付け、トンボ部分を残してハサミでカット。


トンボを残してカット
あとはトンボを重ね合わせてプリントするだけ。
版側のトンボにはインクが通らないように、必ずふさいでおきましょう!
トンボを重ねたときに透けて見えた方がいいので、透明のテープがオススメです。

重ね刷りをしていくと…




良い感じに刷れました♪
トンボでの位置合わせについては動画でもやり方をご紹介していますので
ぜひ参考にしてみてくださいね。
④ まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はかなりレベルを上げて、写真のフルカラープリントについて解説しました!
手間がかかりますが、色が重なっていく過程はとても楽しいですよ。
ぜひチャレンジしてみてくださいね。
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シルクスクリーン 多色刷りの位置合わせのコツをご紹介!~②トンボ編~
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初めてのシルクスクリーン印刷①〜初心者向けに詳しく解説!シルクスクリーンキット・ロゴスルとは〜
※「ロゴスル」「ペーパーロゴスル」はリニューアルに伴い販売終了となりました。 >>後継品はこちら 今回から3回に分けて、本当に全く初めてシルクプリントに挑戦するという方向けの詳しい印刷のやり方をご紹介していきます! ●目次シルクスクリーン印刷とはシルクスクリーンキット・ロゴスルとはシルクスクリーンキット・ロゴスルの特徴シルクスクリーンキット・ロゴスルのセット内容シルクスクリーンキット・ロゴスルの料金以下「初めてのシルクスクリーン印刷②〜初心者向けに詳しく解説!シルクスクリーンキット・ロゴスルの入稿方法〜」に続く シルクスクリーン印刷とは|初心者でもわかる基礎知識 シルクスクリーン印刷とは、メッシュ状に張られた細い糸(スクリーン)を使ってインクを版に通す印刷技術のことです。版にインクを流し込んで押し付けることで、印刷物に模様や文字を残すことができます。 シルクスクリーン印刷は、布だけでなく紙、プラスチック、金属などの様々な素材に印刷することができ、耐久性が高く、色の再現性に優れるという特徴があります。初めての方でも、シルクスクリーンキット・ロゴスルを使うことで手軽にシルクスクリーン印刷を体験することができます。 また、「道具を買う前に一度シルクスクリーン印刷を体験してみたい!」という方は、全国にあるHANDoコミュニティーのお店でワークショップなどのイベントを開催していますので、お近くのお店をチェックしてみてください。 https://www.hando-horizon.com/community シルクスクリーンキット・ロゴスルとは シルクスクリーンキット・ロゴスルは、簡単・手軽にシルクスクリーン印刷するためのキットです。 キットには、シルクスクリーン印刷に最低限必要な道具やインクなどが一式同梱されており、自宅やオフィスで手軽にオリジナルのロゴ入りTシャツやバッグなどを制作することができます。 また、ロゴスルの特徴として、シルクスクリーンで一番大切で、一番最初に超えなければならない難関であるシルクスクリーン製版をプロがやってくれる料金込みでのキットになっていることです。 自分で作成したロゴやイラストをショップのプロが責任をもって製版して自宅など指定した場所に届けてくれるため、初めてでも安心してシルクスクリーン印刷が楽しめるのです。 手順は簡単。自分で作成したデザインをロゴスル購入時にHANDo WEBSHOP 製版データ入稿フォーム(https://www.hando-horizon.com/fukugyo/logosuru/guidelines/)に送信します。すると、製版済みのスクリーンと印刷に最低限必要なセットが届きますので、ロゴスル・シルクスクリーンキットなら、初心者でも手軽にシルク印刷を楽しむことができます。 シルクスクリーンキット・ロゴスルの特徴 シルクスクリーンキット・ロゴスルは、手軽に自分のロゴを様々なものに印刷することができます。手書きやパソコン上で作成したデザインをデータにして送信するだけで、製版済みのスクリーンと印刷に必要な道具が一式届きます。 ちなみに手書きの場合は普通の写真撮影等ではきれいな版にならないので、スキャナを使用することをおすすめしますが、自宅にスキャナがない場合、コンビニコピー機でスキャンができるお店を利用するか、アプリを使用して画像処理しましょう。(アプリでの作成方法は次の記事で詳しくご紹介します) シルクスクリーンキット・ロゴスルの特徴は以下の通りです。 ①シルクスクリーン製版がセット価格に含まれている ロゴスルの価格には、シルクスクリーンの製版が価格に含まれています。シルク印刷に最低限必要な道具やインクも含まれているので、あとは印刷したいデザインと、印刷するモノ(Tシャツ、トートバック、ハンカチなど)を用意すれば、初心者でも安心してシルク印刷を始めることが出来ます。 ②届いたらすぐに印刷できる シルクスクリーンキット・ロゴスルには、必要なものが全て揃っていますので、届いたらすぐに印刷を始めることができます。印刷に必要な道具やインクなどを一つずつ揃えるのは、初心者にはとてもハードルが高いですが、そうした手間が省けるため、手軽にシルク印刷を始めることができます。 ③家で省スペースで印刷できる(1㎡) シルクスクリーンキット・ロゴスルは、卓上に置けるスペースがあれば印刷することができるため、場所を取らずに印刷することができるのもうれしいポイントです。限られたスペースで気軽に楽しむことができます。 ただ、たくさん印刷する場合は、印刷したものを乾燥させるためのスペースは事前に確保しないと後で大変なことになるので注意が必要です! このように、シルクスクリーンキット・ロゴスルは届いたらすぐに印刷することができ、自分のデザインしたロゴやイラストを手軽に、必要な時に必要な分だけ印刷したりすることができます。また、場所を取らず、限られたスペースで印刷ができるという魅力的な特徴があります。 シルクスクリーンキット・ロゴスルのセット内容 シルクスクリーンキット・ロゴスルには、あなたが作ったデザインの製版済みスクリーン、シルク印刷用フレーム、スプレーのり、スキージ、ヘラ小、シルクスクリーンインク(8色から選べる)、プリント台紙が含まれています。 1. 製版済みスクリーン + シルク印刷用フレーム 2. スプレーのり80ml 3. スキージ14cm 4. ヘラ小 5. シルクスクリーンインク50g(好きな色が選べます!)※綿、綿ポリ(綿50%以上)、紙、白木対応 6. プリント台紙(厚紙) <上記1.~6.各1個> このキットを使うことで、自分で作成したデザインを、様々な素材(綿、綿ポリ(綿50%以上)、紙、白木を推奨)、好きな場所に印刷することができます。 スクリーンの製版からインクなど、シルクスクリーン印刷に必要な最低限の道具がすべてキットに含まれているため、初心者でも簡単に、安心してシルクスクリーン印刷を楽しむことができます。 また、インクは8色から選べるので、(ペーパーロゴスルでは5色から!)自分の好みやデザインに合わせて選ぶことができます。プリント台紙も付属しているため、すぐに印刷を開始することができます。 シルクスクリーンキット・ロゴスルの料金 まず、とりあえずシルクスクリーンを始めたい!という方は、シルクスクリーンキット・ロゴスルをご購入ください。それで、必要なものが全て揃います。 さらに、もっと違うデザインも印刷したい場合、ロゴスル版のみを追加でご購入いただければ異なるデザインを追加で印刷することが出来ます。 ロゴスル・シルクスクリーンキットロゴスル版のみ(追加・リピート)通常価格:5,500円(税込)通常価格:1,430円(税込)SALE 4,950円(税込)SALE 1,100円(税込) もっと大きいサイズの版がほしい・・・!という方は「シルクスクリーン製版サービス」もどうぞ。 ①印刷するアイテムの用意 まずは印刷したいアイテムを用意します。Tシャツやトートバッグなど、印刷できる素材であれば何でもOKです。 ②デザインデータの準備 次に、印刷するデザインを用意します。HANDo WEBSHOPにデザインデータを送信するだけで、製版済みのスクリーンと印刷に必要なセットが届きます。 このときに注意してほしいことは、データは全てスミ1色で作成すること! 手書きの場合は、油性マジックなどで原稿を作成して、スキャンする際に白黒2色でのスキャンをしてください。とにかく真っ黒であることがポイント。薄い黒やグレーはプロが製版してもきれいな版になりませんので、注意! ここが、シルクスクリーン印刷で最も大事な所と言っても過言ではありません! 必ず白黒2色でデータを作成しましょう! 次回は、詳しい入稿の仕方を含めたロゴスル・シルクスクリーンキットの注文方法についてご紹介いたします。