Tシャツくんフレームの使い方を初心者向けに解説!空気の通り道がポイント
シルクスクリーン印刷の強い味方、「Tシャツくん」。そのTシャツくんを使う上で、意外とつまずきやすいのがフレームの扱い方です。今回はTシャツくんフレームの正しい使い方を解説していきます。
Tシャツくんフレームをセットする前の準備
まずは、作業環境を整えましょう。
カーテンを閉め、窓の近くを避ける

Tシャツくんのスクリーンは、紫外線が大敵です。作業部屋のカーテンを閉め、太陽光が入らないようにしましょう。(部屋の電気はつけたままでOK。部屋を真っ暗にする必要はありません。)
また、太陽光からの紫外線を避けるため、できれば窓の近くではない場所で作業しましょう。
Tシャツくんフレームの使い方
作業環境の準備ができたら、いよいよフレームをセットしていきます。
Tシャツくんフレームの構成

内枠(凹がたくさんある) ②外枠 ③ネジ の3つで構成されています。
内枠と外枠の間にスクリーンを挟み、ネジをしめていくことでピンと張っていく仕組みです。
1.空気の通り道をつくる

クオリティの高いプリントのためには、スクリーンの張りの強さが重要です。フレームにスクリーンを張る際、たるみがないようにピンと張るために、まず、フレームの内枠を机から少しはみ出して置き、空気の通り道を作ります。
2.スクリーンを挟む

内枠の上にスクリーンをかぶせます。その上に外枠をのせて、上から抑え、勢いよくシュッと挟みます。

3.マットをかぶせて遮光し、ネジをしめる

遮光のためマットをかぶせ、ネジをしめます。一度に締め切らず、全体を少しずつ均一にしめていくとシワがよりにくいです。

4.スクリーンの張りをチェック

全てのネジが閉まり切ったら、スクリーンの張りを確認します。指ではじいたとき、太鼓のような音がするくらい、スクリーンがピンと張れていればOKです。
番外編:スクリーンを張ったまま保管するときの注意点

印刷が終わって、スクリーンをフレームに張ったまま保管する際は、ネジを緩めてから保管してください。ネジをきつく締めたままにしていると、フレームに負荷がかかり、歪んでしまうことがあります。使わないときはネジを緩めておきましょう。

また、Tシャツくんのスクリーンはフレームから外してもまた張り直しできることが特長です。
フレームに張りなおす際は、マスキングテープでネジ穴をふさぎ、再度穴をあけなおして貼りなおすと張りを保ったまま張り直しできます。
以上、Tシャツくんフレームの使い方を解説しました。今回ご紹介したポイントをしっかり押さえて、Tシャツくんライフを楽しんでくださいね!
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