シルクスクリーン多色刷り‐クリアファイルで簡単2色刷りに挑戦!~おぎこラボ

今回は(きっと)みんなやってみたい!多色刷りについてご紹介。
位置合わせが難しそう…上級者しかできないんでしょ?と何かと距離を置かれがちな多色刷り。自分にはできない!と諦めていた方にクリアファイルを使って簡単に2色刷りをする方法をご紹介します??この方法なら3色、4色、もっとたくさんの多色刷りもできちゃうんです。
今回はTシャツくんワイド印刷機を使いましたがもちろんご自宅のテーブルなどでもOK!
クリアファイルはカットしてペラペラ1枚の状態で使うのがおすすめです◎
みなさんぜひお試しあれ〜?
※実際に多色刷りをしている動画はInstagramの2枚目にあります↓↓↓
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インテリアやプレゼントにも◎シルクスクリーンで手作りファブリックカレンダー
ファブリックカレンダー=布制のカレンダー そろそろ年末モード。来年のカレンダーはどうしようと考え中の方、2023年は布製の「ファブリックカレンダー」にしてみてはいかがでしょうか。 ここ数年はファブリックカレンダーがじわじわと人気で、InstagramやTik Tokを中心としたSNSでもおしゃれなインテリアとして話題になっています。しかし紙のカレンダーと比べるとまだ数が少なくなかなか好みのものに出会えていない…ということはありませんか? 1年間使うカレンダー。布もデザインも自分のお気に入りで作ると2023年も毎日ごきげんに過ごせそうです♪ ファブリックカレンダーとは? SNSにも映えるおしゃれカレンダー 布に写真やイラストなどをプリントしてできたカレンダー。お部屋のインテリアにも自然に取り入れやすく、手軽におしゃれな雰囲気にできます!お部屋に飾った後すぐに捨てることなく再利用できるのもうれしいですね。 布製のカレンダー自体は以前からありましたがSNSで話題となり流行しています。 SNSでよく見かけるファブリックカレンダー SNSでよく紹介されているのはアイロンプリントシート(熱転写シート)とアイロンを使った作り方。 材料も100円均一などでそろうため安く手軽にできると人気ですが、布の素材やアイロン(熱)のかけ方によっては圧着がうまくいかず剥がれたり変色の原因となります。 洗濯は基本的にしない・変色してもアンティークのような感じで雰囲気を楽しむという場合に向いていそうです。 シルクスクリーンで作るファブリックカレンダー シルクスクリーンではインクがしっかり乗るので、カレンダーの数字がハッキリと見えて実用にも耐える仕上がり。特に飾った後も使いたい場合は、お洗濯しても大丈なシルクスクリーンプリントだと安心して使えます! 布の素材やインクの選択肢も増えるので他の人とかぶることがなく、ちょっとこだわりたい人も満足できますね。 シルクスクリーンでファブリックカレンダーを作ってみよう クールな年間カレンダー 年間カレンダーがおすすめ 気軽に作れるのは1枚の布に年間カレンダーをプリントする方法。 12ヶ月分を別々に作る場合だと版も12枚作成する必要があるので、スクリーン1枚にまとめられる年間カレンダーがおすすめです。 そのまま使っても良いですし、12ヶ月毎にカットして小さなカレンダーとして使うこともできます。 カレンダーのデザイン カレンダーのフリー素材は色々なサイトからダウンロードすることができます。 たとえば「イラストAC」というサイトではダウンロードする素材に自分でデザインを加えることもできるのでおすすめですよ。 カレンダーのフリー素材が見つかるおすすめのサイト イラストAC https://www.ac-illust.com/ デザインで注意する点 ・細い線や絵柄は避けましょう(インクが目詰まりするため) ・色は単色 or 2~3色が作りやすい ・版の中に収まる大きさにする シルクスクリーンの基本的なポイントに気をつければ大丈夫です◎ 版を作る際のデザインの線は「1mm以上」「真っ黒のベタ塗り」にしましょう。 カレンダーは土曜日・日曜日の色が青や赤になっていることが多いので、版を作る前に黒にするのを忘れないようにしましょう! ファブリックカレンダーの生地 いろんな生地があって迷いますね どんな布にしようかな・・・と選ぶのも楽しみのひとつ。生地だけでも雰囲気がぐっと変わるので、お気に入りを探してみましょう。 生地は手芸用品店や100円均一、ネットショップなどで手に入ります。 オックス生地 ちょうど良い肉感、ハリ、耐久性で扱いやすさNo.1の生地。 服や小物の素材などにもよく使われているので親しみやすいです。 キャンバス生地 船の帆にも使われるほど耐久性抜群。トートバッグにもよく使われていることも多いので聞いたことがあると思います。 1年間壁にかけて使うものなのでしっかりした素材がいい!という方におすすめ。 カツラギ生地 オックスより厚みがありキャンバスより柔らかい素材。布の素材にちょっとこだわりたい方はいかがでしょうか。 シーチング生地 マニアックになってきました。寝具などに使用される素材のことです。やわらかくしっとりとした素材なので雰囲気が出ますよ。 もちろん他の布の素材でもOK。ぜひお好みの生地を見つけてみましょう! プリントする素材とインクとの相性もチェック。こちらの過去記事にインクと素材の対応表が載っています! シルクスクリーンとは?やり方や必要なもの、印刷手順や体験できる場所を紹介 https://www.hando-horizon.com/labo/4506 「Tシャツくん」を使ってプリント! 年間カレンダーがプリントできる広さの版にしましょう。 おすすめはTシャツくんの「ワイドフレーム」です。製版可能な範囲は210mm×310mm。 作り方がまだ慣れていない方はYouTubeの公式チャンネルで詳しく説明しているので、ぜひ見ながら挑戦してみてくださいね。 YouTube公式チャンネル「HANDo channel」https://www.youtube.com/watch?v=CbP3XHmtDDc&t=14s シルクスクリーン製版サービスもおすすめ 「デザインは決まったけど、版を作るのが面倒」「製版する時間がない!」という方は製版サービスが便利です。 版のみ or フレーム付きと選べるので、ワイドフレームを持ってない方も一緒に注文できちゃいますよ! 製版サービスhttps://www.hando-horizon.com/fukugyo/logosuru/ (※年末年始にかかる際はスケジュールをご確認ください) さいごに 2023年もすぐそこまできています カレンダーは1年間ずっと目に入るもの。2023年はどんな年にしようかな…と思いを馳せながら、布やデザインもお気に入りのもので作るともっとワクワクしてきませんか?ステキなファブリックカレンダーは家族や友人へのプレゼントにもおすすめです♪
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シルクスクリーン 多色刷りの位置合わせのコツをご紹介!~②トンボ編~
2色刷りをしたロゴマーク 前回の記事では、シルクスクリーンの多色刷りの位置合わせコツとして、クリアファイルを使った方法をご紹介しました。 https://www.hando-horizon.com/labo/10058 ただし、以下のような条件下には適していないという点もお伝えしました。 ・版を固定できない環境・厚手の素材に刷るとき・クリアファイルよりも大きいものに刷るとき例:大人用のTシャツ、トレーナー、マチの付いた袋物(バッグ、巾着)、など そこで、今回は上記の条件でもできる、〈トンボ〉を使った位置合わせの方法をご紹介します。 トンボで位置合わせをする方法 必要な道具 通常のシルクスクリーンの道具と、〈透明のセロハンテープ〉をご用意ください。 〈STEP1〉多色刷り用のトンボ入り原稿を作る まずは、色ごとの原稿を用意します。ここでのポイントは、版を重ねるときの目印として、データごとに「トンボ」を入れること!トンボを重ねて1色ずつ印刷をすることで、デザインが完成されます。 トンボを入れるうえで、注意点が3つ! ① トンボは各データ同じ位置、同じ形状、同じサイズで入れてください。 ② トンボは、データの四隅または上部分だけでOKです。(センタートンボも不要) ③ デザインから1~2㎝ほど余白を開けて配置してください。 今回は、こちらの2版のデータを用意しました。下画像の〈版1〉と〈版2〉を2色刷りして、「仕上がりイメージ」のデザインを作っていきます。 Tシャツくんのミドルフレームに、上下に配置をして製版しました。トンボも一緒に製版してくださいね。 1枚のスクリーンにまとめて配置する場合、しっかりと間隔をあけると刷りやすくなりますよ。 このようなレイアウトで製版しました またこのときに、トンボ付きの仕上がりイメージを、印刷する素材の数量分、原寸コピーをしておいてください。(STEP2で使用します!) 〈STEP2〉印刷する位置を決める 次に、STEP1で原寸コピーした仕上がりイメージを使って印刷する位置を決めていきます。 印刷をする位置を決めていきます 位置が決まったら、画像のようにマスキングテープで貼り付けてからトンボ部分だけを残して他の部分を切り落とします。 位置が決まったら、テープで固定 トンボだけ残します 印刷する素材がいくつかある場合は、あらかじめすべてに貼っておくとスムーズです。 〈STEP3〉版のトンボにセロハンテープを貼る スクリーン上のトンボの穴を、裏表両面からセロハンテープでふさぎます。こうすることで、インクが通るのを防ぐだけでなく、スクリーンの下が透けて見えるのでトンボの重なり具合が確認しやすくなります! マスキングテープでも代用できますが、やはり「透けて見える」という点でセロハンテープがおすすめです。 インクが通らないように、セロテープ隠す トンボ四か所をセロハンテープで隠しました ここまで準備ができれば、あとは簡単に刷ることができますよ! 〈STEP4〉1色目の印刷 印刷する素材に中敷きをセットしてから、1色目を刷っていきましょう。 素材に貼り付けたトンボに重ねるようにして版を置きます。 セロハンテープが透明だから、素材に貼ったトンボが透けて見えます 位置が固定できたら、インクを乗せて1色目を印刷します。たくさん刷る場合は、セロハンテープの透明度をキープしたいのでなるべくセロハンテープの上を避けてインクを置いてくださいね。 インクを置いて、刷って、ゆっくり版を持ち上げましょう できました!ここで、素材に貼っているトンボをうっかり剥がさないよう要注意です!最後の印刷が終わるまで貼ったままにしておきましょう。 そして2色目に移るまえに、版の掃除もお忘れなく! 〈STEP5〉2色目の印刷 1色目に印刷したインクがしっかり乾いたら、2色目にいきましょう! やり方は1色目と同様。まずはトンボを重ねて印刷する位置を固定します。 2色目の位置合わせはこんな感じ 位置合わせができたら、版にインクを乗せて、印刷していきます。 インクを置いて、刷って、ゆっくり版を持ち上げましょう 2色刷り、出来上がり! どうしょう!ズレることなく、きれいに重なりました!3色以上刷る場合も、同じ工程で刷ってくださいね。 最後に、素材に貼っていたトンボを剥がしてからしっかりと乾かして完成!布地の場合はアイロンをするとより定着します。 セロハンテープについたインクは拭き取れる 万が一セロハンテープの上にインクが付いてしまってもティッシュや布で簡単に拭き取ることができます。 時間がたって乾いてしまった場合は、水で濡らした布で拭き取ればOK。 セロハンテープについたインクは拭き取れます まとめ クリアファイル編とは違い、原稿のつくり方がポイントになるトンボ編、いかがでしたか? フレームを固定する道具がないときや、スウェットなど厚めの素材に刷るときにはとても便利な方法です。 印刷する状況によって、やりやすい方法をえらんでくださいね。 多色刷りはどうしても手間と時間がかかりますが、そのぶん完成したときの感動はひとしお! 慣れてきたら色パターンを変えてみたり、あえて少しズラすことで味を出してみたり、手刷りならではの良さを楽しんでください!▶〈トンボを使った位置合わせ〉方法はYouTubeで動画編も公開中!
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Tシャツくんシルクスクリーンインク徹底比較!プレーン・ソフト・リッチ…どれがおすすめ?インクの選び方。
発売から35年。初めての全面リニューアルとなったTシャツくんシルクスクリーンインク。種類をどーんと増やして発売となりましたが、今回はその中でもスタンダードな「プレーン」「ソフト」「リッチ」の3種類を徹底比較!白いTシャツ、黒いTシャツに実際にプリントしてみました。 今回使うインクは? Tシャツくん水性シルクスクリーンインク ・Tシャツくんシルクスクリーンインク<プレーン> あか/みどり・Tシャツくんシルクスクリーンインク<ソフト> あか/みどり・クリアインク(ソフト専用)・Tシャツくんシルクスクリーンインク<リッチ> あか/みどり新しくなったTシャツくんインクのスタンダードな3種類を使用します!クリアインクはソフトに混ぜて使う特殊なインクです。それぞれのインクを綿の白いTシャツ、黒いTシャツにプリントして違いを見てみたいと思います。それでは早速いってみよう~! 白いTシャツにプリントしてみる 白い生地へのプリント比較。今回はそれぞれを「みどり」を刷ってから「あか」を上に重ねてみました。使用したスクリーンはTシャツくんスクリーンの120メッシュです。 ①シルクスクリーンインク<リッチ>でプリント Tシャツくん水性シルクスクリーンインク リッチ で白いTシャツにプリント ぱっと見の特徴としては先にプリントした「みどり」があまり見えなくなっていて、後からプリントした「あか」が覆い隠しているような感じです。インク自体の隠ぺい力が強いので、後からプリントする色がこってりと発色しています。触った感じはちょっとザラザラ、かため。 ②シルクスクリーンインク<プレーン>でプリント Tシャツくん水性シルクスクリーンインク プレーン で白いTシャツにプリント お、リッチとは少し違うのがわかりますね!リッチよりも先にプリントした「みどり」が透けています。触った感じはリッチよりもやわらかく、ゴワゴワ感が少し軽減されました。 ③シルクスクリーンインク<ソフト>でプリント Tシャツくん水性シルクスクリーンインク ソフト で白いTシャツにプリント これはまたぐっと発色が変わりましたね。リッチやプレーンよりも少しパキッとしていて、鮮やかな赤という感じです。インクのベースが透明なので色が透けたような感じになり、「みどり」と「あか」、どちらを先にプリントしたのか分からない仕上がりになりました。もしやこれは色組み合わせ次第で重なる部分の色を自分好みにできる…?触った感じはシルクスクリーンとは思えないほどやわらかく、布の質感そのもの。 ④シルクスクリーンインク<ソフト>に<クリアインク>を混ぜてプリント Tシャツくん水性シルクスクリーンインク ソフト にクリアインクを混ぜて白いTシャツにプリント 色が薄くなった…!ソフトにクリアインクを混ぜることでより透明感を出すことができました。通常白色のインクを混ぜるとパステル調になってしまうのですが、クリアインクは透明なので色を変えずに濃度を調整することができます。触った感じは③と同じくやわらかく、インクが染み込んだ感じの仕上がり。 並べて見てみると…? Tシャツくん水性シルクスクリーンインクで白いTシャツにプリント比較 おお…!こうして並べて見てみるとかなり違いがわかります。色味や発色の仕方、色の重なり方など…好みのものはありましたか?ちなみに、水性インクでのシルクスクリーン印刷で気になる「目詰まり」は以下の通りです。<目詰まりしにくいインク>・プレーン・ソフト<目詰まりしやすいインク>・リッチメーカーが目詰まりしやすいなんて言っちゃっていいの?と思ったあなたへ。その理由を「黒いTシャツへのプリント」で解明しましょう! 黒いTシャツにプリントしてみる こちらも白い生地へのプリントと同様、「みどり」をプリントした後に「あか」をプリントしました。同じく使用したスクリーンはTシャツくんスクリーンの120メッシュです。 ①シルクスクリーンインク<リッチ>でプリント Tシャツくん水性シルクスクリーンインク リッチ で黒いTシャツにプリント 120メッシュにしてはきれいに発色しました!隠ぺい力が高いインクとあって濃色生地にもふんばって発色してくれました。とくに2色が重なり合った部分は緑色が完全に見えなくなっています。ちなみに…濃い色の素材には120メッシュより80メッシュのほうが濃く印刷できます!その違いは次回のおぎこラボにて!しばしお待ちくださいませ! ②シルクスクリーンインク<プレーン>でプリント Tシャツくん水性シルクスクリーンインク プレーン で黒いTシャツにプリント おやおや…かなり色が薄くなりましたね。真ん中の色が重なった部分はまだきれいに発色していますが、とくにみどりは色が沈みがちに…リッチとプレーンを見ると先ほどの目詰まり問題、なにかヒントが見えてきませんか? ③シルクスクリーンインク<ソフト>でプリント Tシャツくん水性シルクスクリーンインク ソフト で黒いTシャツにプリント なんと…これはさすがにひどいですね。というのもソフトは【淡色生地専用】なんです!なのでこれは不良品ではありませんよ~。先ほどちらっとお話ししましたが、ソフトはベースが透明で染み込むタイプのインクなので淡い色の生地にしか発色しないんです。間違えて使用してしまわないようにご注意くださいね。 ④シルクスクリーンインク<ソフト>に<クリアインク>を混ぜてプリント Tシャツくん水性シルクスクリーンインク ソフト にクリアインクを混ぜて黒いTシャツにプリント ③よりも見えなくなってしまいましたね。淡色生地専用のインクをさらに透明にしたんですものね。割愛しましょう。 並べて見てみると…? Tシャツくん水性シルクスクリーンインクで黒いTシャツにプリント比較 これは白い生地に比較してみたときより圧巻ですね!黒いTシャツなど濃い色の生地にプリントするときは断然<リッチ>がおすすめなのが分かります。プレーンでも発色しないことはないですが、より濃く発色させたいときは<リッチ>を使うことをおすすめします!より濃くプリントしたいときは刷り方やスキージを変えてみるのもポイント。刷り方でこんなに違う!?~シルクスクリーン印刷 黒Tシャツに白インク~ではこってりプリントする方法を紹介しています。そしてここで先ほどの目詰まり問題を復習しましょう…<目詰まりしにくいインク>・プレーン・ソフト<目詰まりしやすいインク>・リッチなるほど、と思ったみなさま、さすがです。サラサラしているインクより、こってりしているインクのほうがスクリーンのメッシュを通りづらいというのはイメージしやすいかと思います。濃い色の生地にこってりきれいに発色させるには、スクリーンの目詰まり問題と戦わなくてはならないのです…とはいえ、逆に言うと目詰まりしやすいインクは使いづらいインクなのではなく、濃色生地に発色しやすい!というメリットを持つインクということなんですね!Tシャツくんインクを選ぶなら… Tシャツくんシルクスクリーンインク比較表 初心者の方やシルクっぽさを楽しみたい方にはまず<プレーン>をおすすめしています。紙に印刷したいな、布の柔らかさを残した染み込む系のプリントがしたいな、はたまたクリアインクで透明感を出してみたい!という方は<ソフト>をぜひぜひ使ってみてください!そして、どうしても濃い色の生地にプリントしたいんだ!という方は<リッチ>をご使用くださいね。それぞれのインクの特長や実際のサンプルはTシャツくんインク特長紹介をご覧ください!撥水生地にプリントできるインクやもこもこ膨らむインクも紹介しています。 まとめ シルクスクリーン印刷で避けて通れない目詰まり問題。目詰まりしやすいインクには他にはないメリットがある!ということですね。みなさんのインク選びにひとつ、参考にしていただけたら嬉しいです!
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シルクスクリーンで写真を刷ろう!②【フルカラープリント編】
ひとつ前の記事では、写真をシルクスクリーンプリントするための【データの作り方】や【網点】について解説しました。(記事はこちら) 実は、少し難易度が上がりますが、1色印刷だけではなくフルカラーでプリントすることもできます。こちらは実際にフルカラーで刷ったもの。 4色のインクを重ね刷りしてフルカラープリント! シルクスクリーンで写真をフルカラープリントするには、写真データを【4色分解】&【網点処理】をして版を作り、4つの版を重ね刷りしていきます。1色印刷よりも工程が多いですがインクが重なっていく工程はワクワクしますよ! ということで今回は、写真をフルカラープリントする方法についてご紹介していきます! ◎目次① 4色分解とは?② データの作成 1.Photoshopで写真を開く 2.CMYKに変換 3.サイズと解像度を設定 4.チャンネルを分割 5.モノクロ2階調→網点設定 └「角度」が大事! 6.トンボを付ける③ プリント └ インク選び └ 刷り順 └ 位置合わせのコツ④ まとめ ① 4色分解とは? 4色分解とは、画像データを C(シアン) M(マゼンダ) Y(イエロー) K(ブラック) の4つの情報に分解すること。 分解した4つのデータを個別に製版し、色を重ねて印刷することで多様な色彩を表現します。 ② データの作成 1.Photoshopで写真を開く まずは、プリントしたい写真をPhotoshopで読み込みます。 東京タワーの写真を取り込みました! 2.CMYKに変換 次に、カラーモードをCMYKに変換します。メニューバー〈イメージ〉→〈モード〉→〈CMYK〉を選択 カラーモードをCMYKに変換 3.サイズと解像度を設定 「サイズと解像度」を設定します。メニューバー〈イメージ〉→〈画像解像度〉を選択 画像解像度を選択 以下のダイアログボックスが表示されたら、サイズと解像度を設定します。 ・幅、高さを入力(左の鎖マークが繋がっているか注意!)・解像度は「300」と入力(単位はpixel/inch) サイズと解像度を設定 4.チャンネルを分割 データをチャンネル分割します。「チャンネル」とは、画像を構成するカラー情報(今回はCMYKの4つ)をそれぞれグレースケールで表したもの。 メニューバー〈ウィンドウ〉→〈チャネル〉を選択し、チャンネルのウィンドウを開きます。 チャンネルウィンドウを開きます チャンネルウィンドウが開いたら、右上に表示されているハンバーガーメニューにカーソルを合わせ、表示されたリストから 〈チャンネルを分割〉を選択します。 チャンネルを分割 CMYKそれぞれの画像データが新規ファイルとして開かれたら、OK! チャンネルごとに新規ファイルが開きました 5.モノクロ2階調→網点設定 4色分のデータに、それぞれ網点処理をしていきます。メニューバー〈イメージ〉→〈モード〉→〈モノクロ2階調〉を選択 モノクロ2階調 モノクロ2階調を選択すると、2つのダイアログボックスが出てきます。 「モノクロ2階調」のダイアログボックスでは ・解像度の出力:300pixel/inch・種類:ハーフトーンスクリーン と入力し、OKをクリック。 モノクロ2階調 ふたつ目に表示される「ハーフトーンスクリーン」のダイアログボックスでは線数・角度・網点形状を設定します。それぞれの役割や意味については、「シルクスクリーンで写真を刷ろう!①」の記事内で詳しく解説していますのでそちらをご覧くださいね。 入力数値は ・線数 :お好みでOK ※Tシャツくん製版の場合、オススメは10~15線・角度 :C→15 M→75 Y→35 K→45・網点形状:お好みでOK(オススメは円) ハーフトーンスクリーン 角度が大事! 「角度」とは、網点(ドット)が並ぶ方向のこと。フルカラー印刷においては、 C→15度 M→75度 Y→35度 K→45度 と角度をズラして設定するのが一般的です。 理由は、「モアレ」防止。全ての角度が同じ、または近い数値だと「モアレ」と呼ばれる予期せぬ縞模様が現れることがあります。そのため角度を不揃いにすることがポイントになります。 6.トンボを付ける スムーズな位置合わせのために付けておきたいのが、トンボ(目印)!4つのデータに同じ目印を付けて製版するとプリントの位置合わせがとっても簡単になります。 今回はillustratorに画像を取り込んでから、上の角2か所にトンボを付けました! 上の角2か所にトンボを付けました。 目印になればトンボ以外の形でも大丈夫。ここまで出来たら製版をしてプリントに進みましょう! ③ プリント インク選び C→青系、M→ピンク系、Y→黄系、K→黒系 になりますが、何色を選ぶか迷いますよね。 ということで、4パターンで刷ってみました! 使用したインク:そらいろ/ぴんく/きいろ/くろ※すべてプレーン C:そらいろ M:ぴんく Y:きいろ K:くろ 写真の色に近い雰囲気になりました!写真に忠実にプリントしたい場合はこの組み合わせがオススメ◎ 使用したインク:ねおんぶるー/ねおんぴんくねおんいえろ-/こん ※すべてプレーン C:ねおんぶるー M:ねおんぴんくY:ねおんいえろ- K:こん トイカメラで撮ったような色味になりました!!個人的にはこの組み合わせが一番好みでした~! 使用したインク:そーだ/さくらねおんいえろ-/ぐれー ※すべてプレーン C:そーだ M:さくらY:ねおんいえろ- K:ぐれー あわ~い、夢の中のような雰囲気。写真とは違う味わいになって面白いです。 使用したインク:みんと/らべんだーねおんいえろ-/ぶらうん ※すべてプレーン C:みんと M:らべんだーY:ねおんいえろ- K:ぶらうん ガラッと色を変えて遊んでみました。このようにCMYKの色に縛られずに好きな色を組み合わせてみるのもOK!ちなみに「みんと」「らべんだー」などのパステル系は重ね刷りしたときの隠ぺい力が高く、最初に刷った「ねおんいえろー」はほとんど隠れてしまいました。この場合は「ねおんいえろー」を最後に刷ってもよかったかもしれません。 ▶プレーンインクの商品ページはこちら! 刷り順 淡い色から濃い色の順(Y→M→C→K)が基本の刷り順です。理由は、重ね刷りをしたときに濃い色の方が下の色の影響を受けにくいから。 Y→M→C→Kの順(淡い順)でプリントしたものと、K→C→M→Yの順(濃い順)でプリントしたものを比較してみましょう! Y→M→C→K(淡い順)でプリント K→C→M→Y(濃い順)でプリント 同じインクを使っていても全く色の出方が違いますよね。左は写実的な色味になりましたが、右はちょっと幻想的。これもまた手刷りの味ですね! 位置合わせのコツ 目印(トンボなど)を入れて製版すれば、位置合わせはとっても簡単! まずは、原寸で出力した原稿用紙を使ってプリント位置を決めます。位置を決めたらマスキングテープなどで貼り付け、トンボ部分を残してハサミでカット。 プリント位置を決めます 位置を決めたらテープで貼り付け、トンボを残してカット あとはトンボを重ね合わせてプリントするだけ。版側のトンボにはインクが通らないように、必ずふさいでおきましょう!トンボを重ねたときに透けて見えた方がいいので、透明のテープがオススメです。 素材に貼ったトンボと版のトンボを重ねます 重ね刷りをしていくと… 1刷り目:(きいろ)) 2刷り目:M(ぴんく) 3刷り目:C(そらいろ) ラスト!:K(くろ) 良い感じに刷れました♪ トンボでの位置合わせについては動画でもやり方をご紹介していますのでぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtube.com/shorts/gOuTO1ROCQA?feature=shared ④ まとめ いかがでしたでしょうか?今回はかなりレベルを上げて、写真のフルカラープリントについて解説しました!手間がかかりますが、色が重なっていく過程はとても楽しいですよ。ぜひチャレンジしてみてくださいね。 HANDoでは、シルクスクリーンを通してものつくりやみなさまの新しい一歩のサポートをしています。 シルクスクリーンのワークショップを運営してみたい!イベントでシルクスクリーンをやってみたい! など、シルクスクリーンにご興味をお持ちでしたら、ぜひ一度HANDoへご相談ください。シルクスクリーンのお役立ち情報「ものつくりLABO」やイベントレポートも随時更新しています。 >「ものつくりLABO」記事一覧 > イベントレポート一覧 > お問い合わせフォーム