刷り方だけでこんなに違う⁈~シルクスクリーン印刷 黒Tシャツに白インク~
シルクスクリーン印刷の難関、黒Tシャツへのプリント!
シルクスクリーンでは、黒Tシャツのような濃色生地にこってりキレイに発色させるのは難しいですよね。
特に水性インクは色が沈んでしまい、うまく発色しなかった・・・という経験をした人も多いはず。
そこで今回は、「刷り方」だけで濃く発色させる方法をご紹介いたします。
◎目次
・使ってほしい道具
・刷り方を変えてプリント!
① 1度刷り
② 2度刷り(かぶせ刷り)
③ 弱めの力で3度刷り
④ 中間乾燥で2度刷り
・4つを比較!
・「浮き」も大切
・まとめ
・使ってほしい道具
スクリーンは〈80メッシュ〉を使う

濃色生地にパキッと発色させたい!という場合は目の粗い80メッシュを使うことをおすすめします。
なぜなら、メッシュ(網戸)の目が粗いと、その分たくさんインクが落ちるから。 さらに目の粗い60メッシュもお取り扱いがありますが、シルクスクリーンにまだ慣れていないという方はまず80メッシュから始めてみましょう。
ただし、80メッシュは線の細いデザインなどのプリントは不得意。細かいデザインを刷りたいときは、標準の120メッシュで頑張りましょう!
〈メッシュ関連記事〉
メッシュはこう選ぶ!~120 80 60メッシュの違いと選び方~
インクは〈リッチ〉を使う

リッチはインクがこってりとしていて、濃色素材にも比較的色が乗りやすく、好発色です◎
「しろ」、「きん」「ぎん」などのラメ入り、
「みんと」「らべんだー」「さくら」「そーだ」「れもん」などのパステルカラー
は、発色が特にいいので是非試していただきたいです!
ただし、インクがこってりしている分乾燥しやすいので目詰まりには注意が必要です。
〈Tシャツくんインクに関する記事〉
Tシャツくんインク全種ご紹介!水性・油性の違いも。
できれば試してほしい!「業務用スキージ」

業務用スキージは木の持ち手が付いた樹脂製のスキージ。
力を入れやすく濃色素材へプリントが得意ですが、Tシャツくん本体に付属されている「標準スキージ」に比べて少し高価。。
レベルアップしたい!という方は、是非ご検討してみてください。
〈スキージに関する記事〉
スキージのおすすめは?種類と特徴を徹底解説!
次からの実験は、どなたでも実践いただけるようにTシャツくん本体に付属されている「標準スキージ」を使います!
・刷り方を変えてプリント!
ところでみなさん。力いっぱい刷れば濃く発色しそう!というイメージはありませんか?
実はこれ、シルクスクリーンにおいては逆。
スキージはインクをスクリーンの下に落とすだけではなく、余分なインクを掻き取る働きがあります。
力いっぱい刷る=インクを掻き取る力も強くなるため、濃色生地の場合は発色が薄くなってしまいます。
濃色生地へプリントする場合は、力を入れすぎない絶妙な力加減が肝になります。
スタンダードな1度刷りと、特に発色しやすい刷り方3パターンを見比べてみましょう!
◎使用した道具
・Tシャツくん標準スキージ14㎝(商品はこちら)
・Tシャツくんミドルフレーム(商品はこちら)
・80メッシュスクリーン(商品はこちら)
・リッチ「しろ」(商品はこちら)
・ワイド印刷機(商品はこちら)
① スタンダードに1度刷り
【 刷り方 】
体重をかけて力を入れながら、ゆっくり刷ります。
【 結果は… 】

綺麗に刷れていますが、全体的にやや薄く黒生地の影響を受けて色が沈みました。
② 2度刷り(かぶせ刷り)
【 刷り方 】


1刷り目は、インクを均等にスクリーン表面に伸ばします。スクリーンの孔に均等にインクを行き渡らせるイメージです。
このとき、スキージは倒しすぎないこと!65度くらいをキープしましょう。
そして2刷り目で、生地にインクを落とすようにしっかりと刷ります。
【 結果は… 】

一度刷りよりは濃く発色しました!が、もうひと声…!
【 注意点 】
2刷り目で版がズレないようにしっかりと押さえましょう!
1刷り目で「どれどれ…」と版を持ち上げたい気持ちを抑えて、続けて刷るのがベターです。 (フレームホルダーを使用するなど、プリント位置が固定できる環境でしたら問題ナシです◎)
③ 弱めの力で3度刷り
【 刷り方 】

スキージの力加減を変えて3回刷ります。
1-2刷り目はやさしく、スクリーンの孔に均等にインクを塗り伸ばすように刷ります。
※かぶせ刷りと同様、スキージの角度は65度くらいをキープ。
そして3刷り目は、少し力加減を強めて、塗布したインクを下に落とすイメージで刷ります。
【 結果は… 】

かなり濃く発色しました!!実験をしながら「おおっ!」と声が出ましたよ~!
標準スキージでここまで発色できるとは、驚きです。
【 注意点 】
・フレームのズレに注意。片手でフレームを押さえながら刷るか、他の方に押さえてもらうと刷りやすいですよ。
・刷った後、版はそっと持ち上げましょう!複数回刷りは生地にスクリーンが張り付きやすく、勢いよく持ち上げるとインクが剥がれて薄くなったり、表面が毛羽立ったりします。
・3度刷りはインクがたっぷり落ちます!細い線や細かいデザインは潰れに注意です。
④ 中間乾燥を入れて2度刷り
こちらは、フレームホルダーを使用するなど、プリント位置が固定できる作業環境のみ実践できる刷り方!手間はかかりますが試す価値ありです。

使って、版を固定しています
【 刷り方 】
スタンダードに1度刷りをしてから版を上げ、印刷面をドライヤーで乾燥させます。(この時、生地は動かさないでくださいね)
乾いたら、版をおろしてもう一度上から刷ります。
【 結果は… 】

濃くなりました◎しかもムラなく、非常にきれいな仕上がりです。
【 注意点 】
・ドライヤーの風で生地が動かないように注意! 敷パネルにスプレーのりをすることがズレ防止につながります。
・中間乾燥はしっかり乾かしましょう。インクが半乾きの状態だと2刷り目でスクリーンが生地に張り付いてしまい、失敗の原因に。
・4つを比較!

並べてみると、「弱め3度刷り」と「中間乾燥」が特によく発色していますね。
画像ではわかりづらいですが、実物はやや「中間乾燥」の方がパキッと発色しています。というのも、この方法はTシャツプリント業者さんも取り入れている方法なのです。
ただし、途中で版を持ち上げるので、版を固定できる印刷台などをお持ちの方限定。 持っていない方は、ぜひ「弱め3度刷り」を試してみてくださいね!
・「浮き」も大切!

スクリーンと生地が接した状態でプリントすると、版を持ち上げたときにインクも一緒に吸い上げてしまい、プリント面が欠けたり、発色が薄くなったりする可能性があります。
スクリーンと生地の理想の隙間は、3mm。
この隙間=「浮き」があることで、スキージを当てた後にスクリーンが張力によって自然に生地から離れ、キレイな仕上がりになります。
〈「浮き」に関する記事〉
「浮き」は重要!版離れとは?浮かせ方は?
・まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、是非実践していただきたい刷り方をお伝えいたしました。
インク選びだけではなく、メッシュ選び、スキージ選び、そしてそれらツールの使い方次第で仕上がりは大きく変わります!
みなさんもぜひ、試してみてくださいね。
▶関連動画(公式)(公式YouTubeチャンネル)もぜひご覧ください!
ー印刷機を使って編ー
ー身近なもので編ー
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Tシャツくん 細い線、小さい文字、どこまで再現できる?【印刷編】
Tシャツくん 細い線、小さい文字、どこまで再現できる?【製版編】の記事につづく第二弾! 今回はプリント編です。 製版編の実験では、1pt未満の細い線、および明朝体の文字は、そもそもTシャツくんでは製版が難しい ということがわかりました。 https://www.hando-horizon.com/labo/11282 製版編はこちら さらに、製版できたからと言ってきれいにプリントができるとは限りません。 快適にシルクスクリーンを楽しむには、実寸1㎜以上(データの場合は線幅3pt以上)を推奨しています。 なぜ実寸1㎜以上が推奨なの? シルクスクリーンは、版の孔(あな)にインクを通すことでプリントする仕組み。 細かいデザインはその分版の孔も狭くなります。そうすると、インクが十分に落ちず印刷面がカスレたり、インクが孔をふさいで乾燥し目づまりを起こす原因となってしまうのです。 とは言え、できるだけ細かい線で表現したい…!ということもあると思います。 そこで今回は、Tシャツくんで製版した細い線や小さい文字はどこまでプリントできるのか、 実験を通して検証していきます。 実験ではこちらの図案を使いました。 今回使用した図案 ◎目次① 素材別 ・紙(クラフト紙) ・布(綿100%薄手) ・厚手コットン地② 何枚まで連続プリントできる? ・プレーンインクで実験 ・リッチインク「きん」で実験③ まとめ ① 素材別 それぞれ・標準スキージ1回刷り・120メッシュ・プレーンインクでプリントしてみました。 ※実寸1㎜=2.83pt 【紙(クラフト紙)】 ・線黒線も白抜き線もくっきりとプリントすることができました。 ・文字14ptはキレイに出ました!12pt以下は、若干潰れたりカスれたり。特に白抜き文字は、 クラフト紙の繊維にインクが滲んで潰れてしまいました。 クラフト紙にプリント 【布(綿100%薄手)】 ・線黒線、白抜き線どちらも細かい線までしっかりと出ています。 ・文字シャープにプリントできました!ただし、目の粗い生地の場合は生地の繊維にインクが滲んで読みづらくなる可能性がありますのでご注意ください。12pt以下は読めなくはないですが、許容範囲か否か見極める必要がありそう。14ptは安定しています◎ 薄手の布にプリント 【厚手コットン地】 ベタ面がカスレてしまったのは置いといて…(そもそも標準スキージは厚手コットンプリントは苦手!) ・線1ptの線はよく見るとムラがあります。1.5pt以上の線はくっきりとプリントできました! ・文字どれもだいぶ怪しいですね…。ただでさえカスレが出やすいので、14ptでも完璧とは言えない仕上がりです。 厚手コットン地は、細いデザインをキレイにプリントするのは難易度が高そうです。 厚手コットンにプリント ② 何枚まで連続プリントできる? さて、上記はすべて1刷り目のサンプルでした。1刷り目はスクリーンがキレイな状態なので、プリントも成功しやすいのです。2回目3回目…と刷っていくと、徐々にインクが乾いて目づまりが発生してきます。そこで次は、版の掃除なしで何枚まで連続プリントができるのか実験をしてみました。 ※注意点※実験は事前準備や加湿器のセット、エアコンの向きを調整した環境で行いました。次のプリントまでにかかる時間や部屋の湿度によって乾燥の速度が変わりますので、ご注意ください! ・プレーンインクで実験 Tシャツくんシリーズのスタンダード〈プレーンインク〉は、乾燥速度を遅らせているので水性インクでありながら目づまりしにくく扱いやすいインクです。 https://www.hando-horizon.com/labo/7501 インクについて詳しくはこちらの記事をご参照ください! 【黒線】 正直、10刷りが限度かな…と予想していましたが、15刷り目もそこそこいい感じに! 意外にも長く持ちこたえてくれました。 16刷り目以降、2pt以下の線はカスレが目立ち始めましたが、この程度であれば版の掃除で回復できます。※版の掃除方法はYouTube動画でもご紹介しています。 黒線実験 【白抜き線】 16刷り目でも安定していて、まだまだ刷り続けられちゃいそうです! 白抜き線実験 続いて文字の実験結果を見ていきましょう。 【黒文字】 文字自体の線が細すぎるのでインクが十分に落とせず、カスレてしまいます。 Tシャツくんで文字をプリントする場合は14pt以上にするかフォントを太くするのがオススメです。 黒文字実験 【白抜き文字】 なかなかイケてるのではないでしょうか?!上の黒文字よりも可読性はいい気がします。 よく見ると画数の多い文字は潰れているので、黒線同様フォントのサイズや太さを調整した方が、よりキレイなプリントになるはず。 白抜き文字実験 ・リッチインク「きん」で実験 リッチインクの「きん」「ぎん」はインクの中にラメの細かい粒子が含まれているので他の色に比べ目づまりしやすいインク。 そのため、「きん」「ぎん」を使用する場合はなるべく大きいデザインで、スクリーンは80メッシュを推奨しています。 今回はプレーンインクと同じ条件で比較をするため120メッシュを使用しています。 【きん線】 1ptの線は1刷り目から怪しげ…。インクが十分に落ちていない様子。3刷り目から早くもカスレが目立ち始め10刷り目でほぼプリントできなくなりました。 きん 線 実験 【白抜きの線】 先程の線に比べると、線の表現自体はくっきり出ています。きんインクは、ベタ面は得意のようです! しかし6刷り目以降発色がやや薄くなり、10刷り目では広範囲でカスレが目立ち始めました。版の掃除をすれば、もう少し長く楽しめそうです。 きん 白抜き線 実験 【きん文字】 14ptでギリギリ…といったところですが、すぐにカスレてしまいました。きんインクで細かい文字をプリントすること自体があまりオススメできません。 きん 文字 実験 【白抜き文字】 先程のきん文字に比べたら、意外にもキレイ?回数を重ねるうちにベタ面が薄くなる問題はありますが、早い段階で掃除をしていれば継続して刷ることができそうです。 潰れが気になる方は、フォントのサイズや太さを調整してみてくださいね。 きん 白抜き文字 実験 ③まとめ 細い線、小さい文字のプリントは、 ⇒インクが十分に落ちずカスれやすい ⇒白抜きは「にじみ」によって潰れやすい という特性がおわかりいただけたかと思います。 シルクスクリーンの苦手とするデザインを上手に調整することでストレスなくプリントが楽しめるはず! 是非参考にしてくださいね。 HANDoでは、シルクスクリーンを通してものつくりやみなさまの新しい一歩のサポートをしています。 シルクスクリーンのワークショップを運営してみたい!イベントでシルクスクリーンをやってみたい! など、シルクスクリーンにご興味をお持ちでしたら、ぜひ一度HANDoへご相談ください。 シルクスクリーンのお役立ち情報「ものつくりLABO」やイベントレポートも随時更新しています。 >「ものつくりLABO」記事一覧 > イベントレポート一覧 > お問い合わせフォーム